京都の任天堂が11月5日に発表した4〜9月期は、売上高が前の年より12.1%減って9,660億円、営業利益は49.1%増えて2,165億円でした。売上が減ったのに利益が増えた形ですが、増えた714億円のうち約700億円は米国の関税の還付と円安の分と、編集部は試算します。
売上の減少は、Nintendo Switch 2の反動です。前の年の上期は発売直後で1,036万台売れ、今年は37.4%減の649万台でした。
増えた714億円の中身
営業利益の増減と下期の計画。増えた分の大半は関税の還付と円安作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
いちばん大きいのは関税の還付です。米国のIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく関税が戻り、4〜6月期に約3億ドルを原価から差し引きました。会社によると、主に販売価格に転嫁せず自社で負担していた分です。上期の平均の1ドル159.29円で換算すると、約480億円になります。
次が円安で、会社は営業利益を約222億円押し上げたと開示しました。2つを足すと約700億円で、残りは約12億円です。
もちろん、本業が弱かったわけではありません。Switch 2のソフトは18.8%増の2,449万本で、デジタル売上高は60.5%増の2,496億円でした。利益率の高いソフトの割合が上がり、ハードの割合は73.2%から54.5%に下がっています。映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』などの収入も87.9%増の627億円でした。
ただ、その分は費用の増加とほぼ打ち消し合いました。販管費は167億円増え、そのうち研究開発費は138億円増の962億円です。
下期のSwitch 2は1,001万台が要る
通期の計画は変えていません。売上高2兆500億円、営業利益3,700億円、Switch 2は1,650万台です。上期で営業利益は計画の58.5%に届きましたが、台数は39.3%です。
計画どおりなら、下期に1,001万台を売ることになります。前の年の下期の950万台を上回る数です。11月5日発売の『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に続き、1月に『メトロイド ラヴェナス』、2027年に『ポケットモンスター ウインド』『ウェーブ』が予定に並びます。
計画の前提は1ドル150円で、上期の平均より円高です。メモリを中心とする部材高や関税の支払いで、約1,000億円の負担も見込んでいます。円安が続けば利益は上にぶれ、部材高が進めば下にぶれる、という読み方になります。
日本で売れたソフト、海外で売れたソフト
上期に100万本を超えた自社ソフトの日本の割合。74%から16%まで差がある作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
売上高の78.9%は海外です。それでもソフトごとに見ると、日本の割合は大きく違います。『リズム天国 ミラクルスターズ』は289万本のうち213万本が日本で、74%を占めます。『マリオカート ワールド』の178万本のうち、日本は29万本で16%でした。
Switch 2の日本では、本体が235万台から142万台に減り、ソフトは387万本から713万本に増えました。本体が行き渡り始め、ソフトを買う段階に移ったと読めます。大阪のカプコンは本数で89.4%が海外でした。その内訳はカプコンの図解でご覧いただけます。
京都で働きたい人への影響
就職先として見るなら、数字が示すのは開発への投資です。売上が減った上期も研究開発費は16.8%増え、通期では1,900億円を計画します。一方で広告宣伝費は17.5%減りました。
本社は京都市にあります。有価証券報告書の給与や勤続年数は関西の電機・ITの23社の図解で、研究開発費は関西の16社の比べで確認できます。
売上が減る年でも次のゲームにはお金をかける。任天堂の本番は、この年末商戦からやで。