大阪に住んで、京都の実家へ週に1回顔を出す。駅から市バスで往復すると、1か月に8回ほど乗ることになります。
その人の運賃は、今の230円から320円に上がるかもしれません。
京都市の松井孝治市長が10月1日の市会で、市バスの「市民優先価格」の案を示しました。市民は200円に下がり、市民以外は360円です。市民と市民以外で運賃を分ける全国初の試みで、2027年度中の導入を目指しています。
案の運賃。今の230円を上回るのは市民以外で、回数が増えると戻りが大きくなる作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
住民票で分かれ、回数で戻る
旅行メディアのタビリスによると、市民とは京都市に住民票がある人です。下宿している学生でも、住民票を移していなければ市民以外になります。
よく乗る人には割引があります。日本経済新聞によると、通院や介護、通学で通う市外の人を想定して、月8回以上なら1回40円、月16回以上なら1回100円を割り引きます。
ただし、乗るときはいったん360円を払います。タビリスによると、割引の分は翌月、市バスと地下鉄のポイントサービス「もえポっ」で戻ります。定期券の運賃は、今の金額のまま据え置く予定です。
月15回より、16回のほうが安い
回数で割引が変わるため、1か月の負担は素直に増えていきません。編集部で計算すると、おかしな逆転が起きます。
市民以外の1か月の負担は、15回から16回で640円下がる作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
月15回なら、320円×15回で4,800円。16回になると、260円×16回で4,160円に下がります。月末に15回まで来ていたら、もう1回乗るほうが640円得です。
今の運賃と比べて負担がいちばん増えるのも、この15回の人でした。増える額は月1,350円。週2往復にわずかに届かない通い方が、最も重くなります。
市民がやることは、カードを結ぶ手続き
市は、マイナンバーカードと交通系ICカードなどを結び付けて市民を見分ける方式を考えています。一度結べば、乗るときにマイナンバーカードを持ち歩かなくて済むと報じられています。
京都市交通局の資料の見分け方の部分。現金と回数券は対象外と書かれている(2026年3月時点の資料)出典: 京都市交通局(引用)
現金と回数券は対象外です。支払いのたびに運転士が市民かどうかを確かめると、定時運行の妨げになるからです。つまり市民でも、現金で乗れば200円にはなりません。
マイナンバーカードが無い市民への対応は、まだ検討の途中です。タビリスは、窓口で運転免許証などを使って本人確認し、ICカードを登録する方法が検討されていると伝えました。クレジットカードのタッチ決済も、対象にするか検討中です。
観光で使う1日券は、これから
案が運賃になるまでには、運賃条例の改正案を市会に出し、国に上限運賃の変更を申請する手続きが残っています。市長は「国との事前調整に一定のめどがついた」と述べました。地下鉄・バス1日券の扱いは、まだ決まっていません。
市外から通っている人は、ICカードの利用履歴で月に何回乗っているかを見ておくと、定期券と比べるときに迷わずに済みます。
実家に寄るついでの1回が、月末には得になるかもしれへんな。