総資産を合わせると約14兆円。滋賀銀行と池田泉州ホールディングス(HD)が統合すると、そんな規模の金融グループになります。2社は10月23日、経営統合を検討していることは事実だと発表しました。ただ、具体的に決めたことはまだありません。2社の規模と店舗網を図で並べ、口座を持つ人が今知っておくことをまとめます。
2社が10月23日に発表したこと 「検討は事実、決定はない」
10月23日、日本経済新聞電子版が、2社が経営統合する方向で調整していると報じました。2社はそれぞれ「一部報道について」を出し、報道は自社が発表したものではないとしたうえで、相手との経営統合を検討していることは事実だが、現時点で具体的に決定した事実はないと説明しました。開示すべきことを決めたら、速やかに公表するとしています。
2社は4月17日に資本業務提携を結び、「池田泉州・滋賀アライアンス」を始めています。株を互いに0.5〜1%程度持ち合う予定で、法人、個人、地域支援、人材とデジタルなどの分野で協力するとしていました。統合の検討は、この提携の先にある話です。
2社の規模 ほぼ同じ大きさの2社
滋賀銀行と池田泉州HDの規模と府県ごとの拠点(図解)作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部(池田泉州ホールディングス・滋賀銀行の資本業務提携の資料と10月23日の発表をもとに作成)
| 項目 |
池田泉州HD |
滋賀銀行 |
合算(編集部の計算) |
| 本店 |
大阪市 |
大津市 |
― |
| 銀行の設立 |
1951年 |
1933年 |
― |
| 総資産(連結) |
6.51兆円 |
7.62兆円 |
14.13兆円 |
| 預金等残高 |
5.83兆円 |
5.93兆円 |
11.76兆円 |
| 貸出金残高 |
4.83兆円 |
4.61兆円 |
9.44兆円 |
| 当期純利益(連結・2026年3月期の予想) |
165億円 |
200億円 |
365億円 |
| 従業員(連結) |
2,287人 |
2,290人 |
4,577人 |
| 国内の拠点 |
110拠点(139カ店) |
107拠点(132カ店) |
217拠点(271カ店) |
数字は4月の提携の資料によります。総資産・預金・貸出金は2025年12月末、純利益は2026年3月期の予想、従業員と拠点は2025年9月末の時点です。預金と貸出金、従業員の数はほぼ同じで、どちらかが大きく上回る形ではありません。
店舗網は、府県ではっきり分かれています。
| 府県 |
池田泉州銀行 |
滋賀銀行 |
合算 |
| 大阪府 |
81 |
5 |
86拠点 |
| 滋賀県 |
― |
85 |
85拠点 |
| 京都府 |
1 |
12 |
13拠点 |
| 兵庫県 |
26 |
― |
26拠点 |
2社は資料で、大阪府から兵庫県を中心にする池田泉州銀行と、滋賀県から京都府を中心にする滋賀銀行の店舗網は「重複が少なく、補完関係にあり」と説明しています。
なぜ統合を考えるのか 取引先の会社の数で見る
統合の検討までの流れ、取引先の会社の数、口座を持つ人が知っておくこと(図解)作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部(2社の発表と東京商工リサーチの調査をもとに作成)
東京商工リサーチの「2026年メインバンク」調査によると、主な取引先の銀行として選ばれている会社の数は、滋賀銀行が1万799社(金融グループで27位)、池田泉州銀行が9,085社(同37位)です。2行を合わせると1万9,884社で、金融グループとしては山口フィナンシャルグループを抜いて17位になります。関西を地盤とする金融グループでは、関西みらい銀行とみなと銀行を傘下に持つりそなHD(8万6,095社)に次ぐ2番目です。
同社は、大阪ではメガバンクやりそなHDなどが競い、滋賀でも2位の関西みらい銀行などとの競争が激しいと分析しています。人件費に加えて、基幹システムや勘定系システムなどのシステムの運営の費用も膨らんでいるとしています。2社が4月に挙げた提携の理由にも、人口減少や産業構造の変化、デジタル化の進展、脱炭素への対応がありました。一般に、銀行のシステムは作るのにも動かすのにも費用がかかります。規模を合わせてその負担を分け合えるかは、統合を考える大きな材料になると考えられます(編集部の見方)。2社の有価証券報告書の働く人の数字やシステムの投資の書き方は、関西の地方銀行5行を図解で並べています。
大阪・滋賀・京都で口座を持つ人がやること
統合で店や口座、カード、アプリがどう変わるかは、まだ何も発表されていません。今すぐ口座の手続きをする必要はありません。それより、近く決まっている2つのサービスの休止に備えておきます。
- 滋賀銀行: 2026年12月31日(木)0時〜2027年1月4日(月)7時、システムメンテナンスでオンラインサービスがすべて止まります。滋賀銀行のATM、他行のATMでの滋賀銀行のキャッシュカードの利用、インターネットバンキング、電子マネーのチャージ、デビットカードなどが対象です。サービスによって再開の時刻は違います。問い合わせは専用ダイヤル(0120-426-212)です
- 池田泉州銀行: 10月30日(金)23時〜31日(土)24時、システムメンテナンスでATMやインターネットバンキング、アプリが止まります。くわしくは池田泉州銀行の休止の記事にまとめています
もう1つ気をつけたいのが、統合の話題に便乗した連絡です。統合が決まっていない今、「統合で口座の手続きが必要」「新しい口座番号を知らせる」といった電話やSMSは疑ってかかり、銀行の公式サイトか窓口で確かめます(編集部の注意で、銀行の発表ではありません)。
統合の形や時期は、2社が決めしだい公表するとしています。年末年始に現金を使う予定がある人は、滋賀銀行の休止の前に、必要な分を引き出しておくと安心です。