新幹線のネット予約、京都府のボランティアの応募、神戸の商工会議所のメールマガジン。ばらばらに見える登録先から、10月の後半に、似たような知らせが相次ぎました。
原因は、それぞれが使っていたメール配信サービスへの不正アクセスです。ユミルリンクの「Cuenote FC」と、ラクスライトクラウドの「ブラストメール」。どちらも、会社や団体が会員のメールアドレスを預ける先でした。
1社が破られると、多くの会社に広がる
メール配信サービスは、会社の代わりにメールマガジンやお知らせを一斉に送るサービスです。会社は送り先の名簿を預け、ときには氏名や都道府県、生年月日なども添えます。
配信会社が破られると、なぜ多くの会社の客の情報が漏れるのか(編集部作成)作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
そのため、配信会社が1社破られると、名簿を預けていた多くの会社の客の情報が、まとめて漏れます。ユミルリンクは10月26日の第二報で、49のシステムで延べ51,628,280件の情報が持ち出されたと発表しました。16のシステムは件数を調べている途中で、さらに増える可能性があります。
ブラストメールは、10月21日0時30分からサービスを止めています。全契約者の情報が持ち出され、配信先のリストなども漏れた契約は、26日17時の時点で345件です。再開の日は決まっていません。
ここで厄介なのが、連絡の順番です。配信会社から使っていた会社へ、そこから受け取る人へと、時間をおいて知らせが届きます。JRの3社は当初、ユミルリンクから影響はないと聞いていましたが、10月26日になって漏えいの連絡を受けました。
関西で影響を発表した会社や団体
10月の2件の流れと、関西の会社や団体への広がり(編集部作成)作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
関西で、一次の発表で確かめられたのは次の4件です。
| 会社・団体 |
配信サービス |
発表された影響 |
| JR東海・JR西日本・JR九州 |
Cuenote FC |
エクスプレス予約とスマートEXの一部の会員のメールアドレス、会員ID、カタカナの氏名、会員種別。件数はユミルリンクが確認中 |
| 京都府 |
ブラストメール(委託先が利用) |
ワールドマスターズゲームズ2027関西の京都エリアのボランティア応募者288件、生涯現役クリエイティブセンターの受講生など最大1万5,576人 |
| 京都府・京都市の「あじわい館」 |
ブラストメール |
登録したメールアドレス約1,500件 |
| 神戸商工会議所 |
ブラストメール |
メールマガジンの配信と、登録・解除の受け付けを止めている。登録者の情報の漏えいは確認されていない(26日10時) |
神戸商工会議所は10月26日、ブラストメールが止まったため、メールマガジンの配信を止めたと知らせました。会議所を装った不審なメールが送られる可能性があるとして、本文のURLや添付ファイルを開かないよう呼びかけています。
それぞれの件は、スマートEXとエクスプレス予約の記事、京都府のボランティアや学び直し講座の記事、あじわい館の記事にあります。配信会社ごとの経緯は、ユミルリンクの記事とブラストメールの記事にまとめました。
受け取る人がやること
漏れたかどうかは、配信会社ではなく、メールマガジンを出している会社や団体が知らせます。受け取る側にできるのは、知らせを待つあいだに偽メールを開かないことです。
- 「お詫び」「再登録」「ご利用確認のお願い」などのメールのリンクは開かず、ブックマークや公式アプリから確かめる
- 送り主のアドレスを見る。ユミルリンクのドメイン(info@cuenote.jp)から、セゾンカードを装う迷惑メールが届いている
- メールでパスワードやカード番号を求められても入力しない
- 要らないメールマガジンは、公式のページから止めておく
4つ目は編集部の提案です。登録先が少ないほど、次にどこかの配信会社が破られたときの影響も小さくなります。
メールを送る側の会社は、自社が使う配信サービスの名前を確かめておくと、客から聞かれたときに慌てずにすみます。名簿に添える項目を必要なものだけにするのも、備えになります。
お詫びのメールが何通も来る月やけど、リンクを押す前にひと呼吸おいてな。