姫路市が、市民の問い合わせに生成AIで答えるチャットボットを導入するため、2026年10月20日に入札を公告しました。市の公式サイトと公式LINEで、24時間365日、質問に答えられるようにする計画です。仕様書では、本番の利用は2027年3月からの予定です。
何が始まる? 生成AIのチャットボットの入札
市の入札のページによると、目的は市民サービスをよくすることと、職員の仕事を効率よくすることです。原則として市の公式サイトの公開情報をもとに、市民の質問に答えます。職員の電話対応や、よくある質問(Q&A)のデータづくりの負担を減らすねらいもあります。
姫路市が10月20日に公開した入札のページの概要出典: 姫路市(引用)
入札の主な日程は次のとおりです。
- 入札に参加する資格の申し込み: 公告の日から11月2日まで
- 入札と開札: 11月26日(姫路市役所 東別館1階の入札室)
- 契約の期間: 契約の日から2030年3月31日まで(長期継続契約)
入札の段階なので、どの会社のどのサービスになるかは、まだ決まっていません。
いつから、どこで使える?
仕様書では、契約から2027年2月28日までを準備とテストの期間としています。本番の利用は、2027年3月1日から2030年2月28日までの予定です。準備の進み具合で、期間が変わる場合があるとしています。
市が求めている主な使い勝手は次のとおりです。
- 使える場所: 市の公式サイトと、市の公式LINE
- 使える端末: パソコン、タブレット、スマートフォンのブラウザ(Edge、Chrome、Firefox、Safari)
- 言葉: 少なくとも英語、韓国語、中国語(繁体字・簡体字)、ベトナム語、フランス語、ドイツ語に対応
- 読み上げ: AIが作った回答を読み上げられる
- 会話: 同じチャットの中なら、前の質問の流れを引き継げる
間違った答えへの備え
生成AIは、もっともらしい間違い(ハルシネーション)を答えることがあります。仕様書と要件定義書では、次のような備えを求めています。
- 回答の根拠がはっきりしないときは、担当部署を案内する
- 回答に、関係する手続きのページや引用元のリンクを付ける
- 市の公式サイトを1日1回以上読み込み、更新された情報を翌日には反映できるようにする
- 差別的、暴力的、誹謗中傷などの質問には答えないように設定できる
- 使い始めに、利用規約や注意事項(免責事項など)を表示し、「同意する」を押してから使う
使うAIのモデルは、契約の金額を変えない範囲で、いつも提供できる最新のものにすることとしています。
入力した内容はどう扱われる?
利用者が入力した内容とシステムのログは、市の職員が管理画面で確かめられるようにします。対話のログは、最低1年間保存します。
いっぽうで、入力した質問や市が登録したデータは、AIのモデルの再学習に使われないこと(オプトアウト)を条件にしています。質問の内容などを保存・処理するサーバーは、日本国内のデータセンターに置くこととしています。ただし、AIが答えを作る部分の基盤は、この条件から外れています。契約が終わったときは、データを元に戻せない形で消すことも求めています。
暮らしと仕事への影響
本番が始まれば、市役所が閉まっている夜や休日でも、手続きの案内を探しやすくなります。多言語に対応するので、姫路で暮らし働く外国の人が、母語で市の情報にたどり着く助けにもなります。
ただ、答えのもとは市の公開している情報です。AIの答えだけで判断せず、付いているリンク先の手続きのページで、期限や持ち物を確かめるのが安全です。入力した内容は職員が確認でき、ログも残るため、名前や住所、マイナンバーなどの個人情報は書き込まないほうが安心です。生成AIに大事な情報を渡さない考え方は、AIに「カードの写真」を送らない 便利そうでも大事な情報は渡さないでも紹介しています。
今日からできること
- 2027年3月までは、今までどおり市のサイトの「よくあるご質問」や担当の課への電話を使う
- 市の公式LINEをまだ登録していない人は、始まったときに使えるよう、市のサイトから公式のアカウントを確かめておく
- 会社として入札に関心がある人は、11月2日までの参加資格の申し込みの書類を、市の入札のページで確かめる
関西の暮らしと仕事での使いどころ
関西の自治体のアプリやAIの使い方は、広がる関西の自治体アプリ 相談・健康・防災、かしこい使い方はや、大阪府と大阪市の生成AIはどこまで進んだ? 暮らしと店に関わる取り組みでもまとめています。
たとえば、夜勤明けに子どもの手続きの必要な書類を調べたい人や、姫路で働き始めたばかりで日本語の行政の言葉に慣れていない人には、24時間・多言語の窓口が役に立ちそうです。播磨の店や会社なら、従業員に「市の手続きは、まずLINEで聞いてみて」と伝える使い方もあります。
始まるまでは、困ったら今までどおり市の窓口に聞いといてな。