大阪市に本社があるスマレジが、沖縄の琉球銀行と業務提携を結んだと、2026年10月13日に発表しました。背景にあるのは、2026年11月1日から変わる外国人旅行者向けの免税制度です。関西の免税店や買い物にも関わる話なので、制度の変更点を中心に整理します。
何が発表されたのか
発表したのは、大阪市中央区に本社があるスマレジ(代表取締役 宮﨑龍平)です。クラウドPOSレジ(店のレジの機能をインターネット上で使うサービス)の『スマレジ』などを展開しています。相手は、那覇市に本店がある琉球銀行です。
目的は、沖縄県内の事業者の店舗運営の効率化と、インバウンド(訪日外国人)対応の強化とされています。軸になるのは次の3つです。
- クラウドPOSレジ『スマレジ』
- マルチ決済サービス『PAYGATE』
- 免税システム
役割分担も発表されています。琉球銀行がVisaとMastercardのアクワイアリング業務(店とカード契約を結び、決済を処理する業務)を担います。同行グループの株式会社OCSが電子マネーの分を担い、スマレジが『PAYGATE』の提供と加盟店の開拓を進めます。
取り組みは、POSとキャッシュレス決済の連携、新しい免税制度への対応支援、売上データを使った店舗経営の支援の3つです。今後は沖縄県内の小売・飲食・宿泊業を中心に、共同提案や共同セミナー、個別相談会を行うと発表しています。
11月1日から、免税の受け方はどう変わるのか
スマレジの発表では、2026年11月1日から外国人旅行者向けの消費税免税が、購入時に消費税を免除する方式から、出国時の税関確認後に消費税相当額を返金する「リファンド方式」へ移行します。
この制度の変更は、国税庁の資料でも確認できます。国税庁の「リファンド方式の概要」には、次のように書かれています。
輸出物品販売場(免税店)制度は、令和8年11月1日から、次のとおり、リファンド方式に移行します。
出典: 国税庁「輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します」
国税庁の資料が示す流れは、次のとおりです。
- 免税店は、外国人旅行者等に税込価格(課税)で免税対象物品を販売する。
- 旅行者は、購入日から90日以内の出国時に、税関の確認を受ける。
- 店は、購入記録情報と、税関が持ち出しを確認した情報(税関確認情報)を保存する。
- 店は、確認後に旅行者へ消費税相当額を返金する。
国税庁がまとめた、リファンド方式の流れと主な変更点(令和7年4月)出典: 出典: 国税庁「リファンド方式の概要」(令和7年4月)(国税庁ホームページの利用条件(公共データ利用規約・第1.0版に準拠・出典を記載)・縮小のみ・2026年10月13日確認)
90日の数え方は、購入日の翌日から90日目までです。国税庁の資料では、11月1日に購入した物品は、翌年1月30日が確認期限になると例示されています。
同じ購入記録情報に含まれる物品のうち、1つでも所持していないものがあると、その記録に含まれるすべての物品について確認を受けられません。
スマレジの新免税制度への対応
スマレジは、リファンド方式に対応すると発表しています。POSレジと免税システムが一体なので、販売情報を別のシステムに二重入力する必要がないと説明しています。
『PAYGATE』を使った対象カード決済では、出国時の税関確認後に、購入時の決済カードへ消費税相当額を自動で返金する仕組みを提供するとしています。旅行者が返金先の情報を登録する必要はないとのことです。
ここまでは、スマレジの発表による内容です。ほかの会社のレジや免税システムの対応は、それぞれの会社の案内で確かめることになります。
大阪・関西では、免税店が多い
観光庁は、都道府県別の消費税免税店数を公表しています。2025年3月31日現在の数字は、次のとおりです。
| 地域 |
免税店数 |
| 全国 |
63,278店 |
| 大阪府 |
7,058店 |
| 兵庫県 |
2,212店 |
| 京都府 |
2,163店 |
| 滋賀県 |
450店 |
| 奈良県 |
346店 |
| 和歌山県 |
190店 |
| 沖縄県(参考) |
1,426店 |
近畿運輸局の管轄(上の2府4県)の合計は12,419店です。大阪府だけで、全国の約11%にあたります。沖縄県の1,426店と比べても、関西の店の数は桁が違います。
国税庁の資料は、リファンド方式が全国の免税店に一律に適用されると示しています。つまり、沖縄だけの話ではありません。大阪・京都・奈良など、関西の免税店も2026年11月1日の販売から、新しい方式で手続きをする必要があります。
なお、スマレジの今回の提携は、沖縄県内の事業者への共同提案が対象です。関西の店への提供について、今回の発表は触れていません。スマレジの会社の数字は、関西に本店がある電機・ITの23社を図解 有価証券報告書で見る平均年収・社員数・売上で取り上げています。
買い物をする人にとっては
関西で免税で買い物をするのは、外国人旅行者等の免税購入対象者です。新しい方式では、旅行者は税込価格で支払い、出国時に税関の確認を受けたあとに返金されます。関西に友人や家族が旅行に来る人は、買った物を出国のときまで持っていることが条件になると伝えておくと安心です。
関西で店をやっている人が気をつけること
国税庁の説明では、免税店は、免税販売手続の電子化に対応している必要があります。国税庁のページには、2026年10月31日までに電子化に対応していない(届出書の提出がない)免税店は、同日をもって許可の効力を失うと書かれています。
免税店の許可を持っている店は、次の点を確かめておく必要があります。
- 自分の店のレジや免税システムが、リファンド方式に対応しているか
- 返金や経理の処理を、だれがどの手順で行うか
- 店頭の説明や掲示が、新しい方式に合っているか
今日からできること
2026年11月1日まで、約2週間です。店をやっている人は、次の順で進めるとよいでしょう。
- 免税店の許可を持っているか、手元の書類で確かめる。
- 使っているレジや免税システムの会社に、リファンド方式への対応の時期を問い合わせる。
- 国税庁の「輸出物品販売場制度の概要」から、リファンド方式のページとQ&Aを読む。
- 返金の手順と、旅行者への案内を、スタッフと決めておく。
買い物をする人は、旅行で来る家族や友人に、「出国時の確認のあとで返金される」ことと「90日以内」の2点を伝えておくと、行き違いが減ります。
11月からのしくみ、店のレジの会社に今のうちに聞いとくんが一番確実やで。