京都の市バスは、運転士がいなくても走れるようになるのか。その答えを探すテスト走行が、洛西ニュータウンで11月1日に始まります。京都市と京都市交通局が10月26日に発表した実証実験で、走る日数は前の年度の21日から100日に増えます。市バスの運転士の担い手が足りないなかで、2028年度に自動運転のバスを走らせるための準備です。何を試し、沿線の暮らしにどう関わるのかをまとめます。
11月1日から1月31日まで 運転士が乗って洛西を回る
| 項目 |
内容 |
| テスト走行の期間 |
2026年11月1日(日)〜2027年1月31日(日)。12月29日〜1月3日を除く |
| 走る時間 |
9時〜17時の間(日によって違う。夜のテストで19時ごろまで走る日もある) |
| ルート |
洛西バスターミナルから洛西ニュータウンを回って戻る。1周約6.9km |
| 自動運転の段階 |
レベル2(運転士が乗り、操作の調整もする) |
| 車両 |
市バスの中型ディーゼルバス(いすゞ自動車「エルガミオ」) |
| 乗れるか |
テスト走行の間は乗れない。市民試乗は2027年2月1日(月)〜14日(日)の予定 |
洛西ニュータウンの実証実験のルート(1周約6.9km・レベル2)出典: 京都市・京都市交通局「自動運転バスの実証実験の実施」(引用)
ルートは、洛西バスターミナルを出て、新林や境谷、竹の里、福西の町を1周します。地図には、新林センター前や洛西高校前、境谷大橋などのバス停が並んでいます。ルート上のバス停にも止まる予定です。
何を試すのか 信号とバスをつなぎ、死角を知らせる
今年度の主な検証は4つです。
- テスト走行の日数を、2025年度の21日間から100日間に増やす
- 信号機の情報をバスに送り、交差点でスムーズに止まったり進んだりできるかを確かめる
- 道路のわきにセンサを置き、洛西バスターミナルから右に曲がって出るときに、死角の情報をバスに伝えて安全に出られるかを確かめる
- 離れた場所から、車内と車外の映像をその場で見る仕組みを確かめる
あわせて、運転士がいなくても走れる「レベル4」の許可を取るために洗い出した危険の場面も検証します。代表を務めるのはNTTドコモビジネスで、車両の改造は先進モビリティが担います。道路側の設備は関西電力送配電とかんでんエンジニアリング、信号との連携はオムロン ソーシアルソリューションズ、遠隔の見守りはNTTモビリティが受け持ち、同志社大学のモビリティ研究センターも加わります。関西の電力会社やメーカー、大学が、道路側の仕組みを支える形です。
2028年度の実装へ 「市営交通として政令市初」
京都市が示した社会実装までの道筋(2028年度に実装)出典: 京都市・京都市交通局「自動運転バスの実証実験の実施」(引用)
京都市が示した道筋では、2025年度から2027年度に実証実験を続け、2026年度から2027年度に許可の手続きを進めて、2028年度(令和10年度)に自動運転バスを社会実装します。資料には「市営交通として政令市初!」と書かれています。
運転士の不足は、京都の市バスでも課題になっています。決まった時刻に決まった道を回るニュータウンの路線は、自動運転を試しやすい場所です。どこまで人の手を減らせるかは、今年度の100日の結果しだいでしょう。
洛西で暮らす人、車で通る人がやること
京都市は、ルートの沿線の住民にチラシを配ります。チラシは、自動運転のバスの走りに影響することとして、路上駐車、飛び出し、無理な追い越しの3つを挙げています。
- ルート上はすべて駐車禁止区間。交差点付近、洛西バスターミナルの入口付近、バス停付近は停車もできない
- 道路への急な飛び出しや、横断歩道以外での危ない横断を控える
- 自動運転のバスを無理に追い越さない
- 自動運転のバスとの車間距離をゆとりをもってとる
テスト中のバスには乗れないため、「乗れると思って待っていた」ということにならないよう、家族にも伝えておくと安心です。乗ってみたい人は、2月の市民試乗の案内を京都市のページで確かめます。
関西で広がる自動運転のバス
関西では、堺市がレベル4をめざす実証を、滋賀県の彦根でも観光地を走る実証を進めています。くわしくは、堺市の自動運転バスの記事と彦根の自動運転バスの記事にまとめています。京都市の取り組みの特徴は、観光地ではなく住宅地のニュータウンの路線で、市営の市バスの車両を使っている点です。