12月が近づくと、ふるさと納税のサイトで返礼品を選ぶ人が増えます。大阪の自宅でカニや米を選んで寄附をすると、そのお金は遠くの町へ入り、自分が住む市の住民税は、そのぶん少なくなります。
総務省が7月31日に公表した調査を、関西の目線で見直しました。2025年度に全国の自治体が受け入れたふるさと納税は1兆3,314億円、約5,963万件で、過去最多です。2025年中の寄附で、2026年度分の住民税から差し引かれた額は全国で9,524億円、控除を受けた人は1,151万人でした。
泉佐野市が6年ぶりに全国1位、京都市は8位
市区町村で受入額が最も多かったのは、大阪府泉佐野市の230.4億円でした。前の年度の181.5億円から増え、2019年度以来、6年ぶりの全国1位です。2024年度の全国1位は兵庫県宝塚市の256.7億円でしたが、2025年度は3.3億円でした。
京都市は132.6億円で全国8位に入りました。関西ではこのあと、滋賀県近江八幡市の54.5億円、神戸市の53.9億円、兵庫県淡路市の49.2億円が続きます。
関西で寄附を多く集めた市町村と、大きな市の受入額と住民税の控除額(編集部作成)作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
府県で見ると、大阪府と兵庫県は「出」のほうが大きい
府県とその中の市町村の分を合わせると、関西で受入額が最も多いのは大阪府の472.7億円です。ただ、大阪府では住民税から749.1億円が差し引かれ、受け入れた額を276.4億円上回りました。兵庫県も、受入額354.0億円に対して、住民税から446.2億円が差し引かれています。
反対に、和歌山県は受入額が233.9億円、控除額が43.3億円でした。滋賀県は199.1億円と97.7億円です。京都府も、受入額が控除額を67.5億円上回っています。控除を受けた人は、大阪府で94.5万人、兵庫県で55.7万人と、ほかの府県より多くなっています。
関西2府4県の受入額と住民税の控除額、その差し引き(編集部作成)作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
二つの数字は、期間が少しずれています。受入額は2025年4月から2026年3月の年度の数字で、控除額は2025年1月から12月の寄附によるものです。控除額は住民税の分だけで、所得税から差し引かれた分は含みません。兵庫県の受入額は、宝塚市の分が大きく減ったことで、前の年度の582.5億円から下がりました。
大阪市は、受け入れた額の13倍あまりが住民税から
市ごとに見ると、差はさらにはっきりします。大阪市が受け入れた寄附は15.9億円でした。一方で、市民31.8万人の寄附により、市の住民税(市町村民税)からは207.0億円が差し引かれています。13倍あまりで、全国の市区町村でも、横浜市、名古屋市に次ぐ3番目の大きさです。
神戸市は受入額が53.9億円、控除額が110.6億円でした。西宮市は2.6億円と39.7億円、豊中市は2.2億円と30.4億円です。表に挙げた関西の大きな8つの市のうち、受入額が控除額を上回ったのは、京都市(132.6億円と97.9億円)だけです。府県民税の分は、これとは別に府県の税収から差し引かれます。
寄附の半分近くは、返礼品や手数料に
全国の寄附1兆3,314億円のうち、自治体の財源として残ったのは6,932億円、52.1%でした。返礼品の調達に3,528億円(26.5%)、事務などの費用に1,809億円(13.6%)、返礼品の送付に756億円(5.7%)がかかっています。募集にかかった費用は合わせて6,382億円で、受入額の47.9%です。前の年度の46.4%から少し上がりました。
全国の寄附1兆3,314億円の使われ方(編集部作成)作成: 編集部 / 出典: 西のITメディア編集部
寄附の97.2%は、ポータルサイトを経由していました。運営する事業者への支払いは2,433億円で、ポータルサイトを経由した受入額の18.8%にあたります。
年末に寄附する人ができること
ふるさと納税は、寄附額のうち2,000円を超える部分が、所得税と住民税から差し引かれる仕組みです。差し引かれる額には上限があり、収入や家族の構成で変わります。
- 控除の上限の目安を、総務省の控除額の計算の案内やポータルサイトで確認してから寄附する
- 会社員などで確定申告をしない人は、寄附先が5団体以内なら「ワンストップ特例」の申請で済む。6団体以上なら確定申告が必要になる
- 家族の年収が変わる人は、所得税と住民税の控除の計算も変わる。今年の改正は家族を扶養に入れられる年収、136万円まで2026年分の所得税と来年度の住民税からにまとめています
寄附の受付や控除の案内を名乗るメールが届いたときは、リンクを開く前に送り主を確認すると安心です。ポータルサイトのメール配信からの漏えいは、ふるさと納税のさとふる、メール配信から情報が漏えい 項目と件数は確認中で取り上げています。
大阪や神戸に住んでて寄附するんやったら、住んでる市の税収が減るぶんも頭の片隅に置いとこな。