朝、会社のビルの入口で、社員証を家に忘れたことに気づく。そんなとき、ポケットのiPhoneをかざすだけで入れる職場が、これから増えるかもしれません。
大阪府門真市に本社を置くパナソニック エレクトリックワークス(パナソニックEW)は10月29日、入退室管理システム「eX-SG」シリーズがAppleウォレットの社員証に対応したと発表しました。社員証をiPhoneのウォレットに入れておけば、プラスチックのICカードを出さずに、ビルの入口や執務エリアを通れます。
iPhoneをリーダーにかざして入館するイメージ(パナソニックEWの発表の画像)出典: パナソニック エレクトリックワークス株式会社(報道用の素材)
カードを出さず、アプリも開かずに通れる
対象はオフィスのスペースやエレベーター、カードで入る共用のスペースなどです。iPhoneかApple Watchをリーダーにかざせば扉が開き、アプリを起動する手間もありません。エクスプレスモードにしておけば、スリープの解除さえ要りません。
使い始めるには、パナソニックEWの「アクセスパス発行サービス」で初めの設定をしてから、社員証をウォレットに追加します。会社の側にも利点があります。新しく入った人に入館の権限を出してから、実際に使えるようになるまでの時間を短くできると同社は説明します。
実はパナソニックEWは2026年7月末に出したスマートフォン認証対応のカードリーダーで、Appleウォレットの「キー」による入退室にも対応していました。今回はその対象が社員証に広がった形です。同社の案内によると、キーはiPhoneの中に保管されるので、従業員がどこに入ったかをAppleが見ることはできません。
自分の会社で使えるか、電池が切れたらどうなるか
便利な仕組みですが、すぐにだれでも使えるわけではありません。発表によると、利用できるのは一部の企業だけです。対応する端末とOSの版が必要で、Appleウォレットの社員証には別のサービスの契約も要ります。つまり、会社がeX-SGシリーズを入れていても、この契約と設定がなければiPhoneの社員証は使えません。使えるかどうかは、勤め先の総務やビルの管理会社の案内を待つことになります。
では、スマホの電池が切れたら入れなくなるのでしょうか。パナソニックEWによると、iPhoneの充電が必要な状態でも、予備電力機能で引き続きオフィスに入れます。
Appleの説明「予備電力機能付きエクスプレスカードを使う」出典: Apple(引用)
Appleの説明では、予備電力機能が働くのは、エクスプレスモードに設定した一部のカードやパス、キーで、長くて5時間です。ただし、サイドボタンを何度も押すと予備電力が早く減ります。iPhoneの電源を切った場合も、この機能は使えません。帰りまで電池がもつか心配な日は、電源を切らずに置いておくほうが安全です。
もう一つ気をつけたいのが、端末をなくしたときです。エクスプレスモードの良さは、顔認証やパスコードなしで使えることにあります。裏を返せば、拾った人がかざしても反応するおそれがあるということ。だから、社員証を入れたiPhoneをなくしたら、カードをなくしたときと同じように、まず会社に知らせます。
iPhoneに社員証を入れる前に、働く人ができること
- 会社から案内が来たら、自分のiPhoneやApple Watchが対応する機種とOSの版かを確かめる
- なくしたときや機種を変えるときの連絡先と手順を、総務に聞いておく
- 電池が少ない日は、電源を切らずに出社する
大阪の会社で使えるようになったら、iPhoneに入れる前に、なくしたときの連絡先だけは先に聞いとこな。