大量の個人情報を扱う会社への不正アクセスで、大規模な漏えいが相次いでいます。これを受けて、個人情報保護委員会は2026年10月7日、事業者に安全対策の強化を求める注意喚起「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について」を公表しました。
対象は事業者(会社)ですが、漏えいが続く状況は、サービスを使うわたしたちにも関わります。国が何を求めたのかと、利用者としてできる備えを、暮らしの目線で整理します。
国が事業者に求めたこと
委員会は、国民に広く普及し、大量の個人情報を扱う事業者などに向けて、個人情報の適正な取り扱いを呼びかけました。ポイントは次の3つです。
- 安全対策の前倒し: 2027年4月に確定を予定している国のガイドライン(安全管理措置の手法の例示)の見直し内容を、近ごろの状況を踏まえて前倒しで示しました。アクセス権限の最小化、フィッシングに強い多要素認証、脆弱性への対応、ログの保存と分析、不正アクセスの検知と被害の封じ込めなどが挙げられています。
- 不要なデータの消去: 利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消すよう改めて求めました。使わないデータをためこまないことも、漏えいの被害を抑える対策です。
- 「WARNING」の改訂: 不正アクセスによる漏えいを防ぐための注意喚起「WARNING」も、同じ日付で改訂されました。
示された手法はあくまで例示で、特定の製品を導入すること自体を義務づけるものではない、とされています。
個人情報保護委員会の注意喚起の要点と、利用者ができる備え(編集部作成)作成: 編集部 / もとの資料: 西のITメディア編集部
関西でも続く、身近なサービスからの漏えい
大規模な漏えいは、特定の地域や業種に限った話ではありません。関西でも、自治体の防災情報の配信サービスが不正アクセスを受け、登録した住民の個人情報が漏れた可能性が公表される事案が起きています。全国で使う通販や会員サービス、ポイントサービスなど、暮らしに身近なところからの漏えいも続いています。
自分が使っているサービスから情報が漏れることは、誰にでも起こりえます。だからこそ、「漏れない」ことだけに頼らず、「漏れても被害を小さくする」備えが大切です。
わたしたちが今日からできること
事業者の対策が進むのを待つだけでなく、利用者としてできることもあります。むずかしい設定は要りません。
- パスワードの使い回しをやめる: 1か所が漏れても、ほかのサービスに入られないようにする、いちばん効く対策です。サービスごとに違うパスワードにし、スマホやブラウザのパスワード管理の機能を使うと楽です
- 二段階認証(多要素認証)を使う: 使えるサービスでは、ログイン時にスマホの確認を加える設定にしておくと、パスワードが漏れても入られにくくなります
- 公式で確かめる: 漏えいのニュースや通知を見たら、SNSのうわさでなく、そのサービスの公式の発表やログイン後のお知らせで確かめます
- 便乗詐欺に注意する: 漏えいや補償を口実に、IDやパスワード、暗証番号、ワンタイムコードを聞き出そうとする連絡に応じない。リンクをたどらず、ブックマークや公式アプリから自分で確かめます
- 使っていないアカウントを整理する: 使わなくなったサービスは退会するなどして、自分の情報が置かれている場所を減らします
漏えいのニュースが続くと不安になるけど、できることから一つずつでええんよ。まずはパスワードの使い回しをやめて、あやしい連絡に気ぃつけるとこから始めよな。