堺市は2026年10月14日、避難情報等を配信するシステムと、市職員を招集するシステムのサービス提供事業者が不正アクセスを受け、登録された個人情報が漏えいしたおそれがあると公表しました。漏えいが確定したわけではありません。
このシステムは、全国の自治体が使う防災配信のクラウドサービスです。何が起きたのか、漏えいのおそれがある情報、便乗の不審な連絡への注意、災害時の情報の受け取り方を、堺市の公表資料から整理します。
何が起きたのか
堺市は、気象情報や避難情報などを登録者に一括で配信するために、外部の事業者のサービスを使っています。その事業者が、第三者による不正アクセスを受けました。
堺市の防災配信システムの不正アクセス事案の要点(編集部作成)作成: 編集部 / もとの資料: 西のITメディア編集部
堺市の資料によると、経緯は次のとおりです。
| 日時 |
できごと |
| 10月11日 16時30分 |
事業者が、不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性を確認 |
| 10月12日 3時ごろ |
事業者が侵入経路を遮断し、影響範囲の調査を開始 |
| 10月13日 14時13分 |
事業者から、堺市を含む契約者へ、漏えいの可能性の連絡 |
| 10月14日 |
堺市が公表 |
このサービスは、株式会社アルカディア(大阪府箕面市)の防災一斉配信クラウド「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン ライデン)」です。全国の自治体で使われており、今回の不正アクセスは堺市だけでなく、同じサービスを使う多くの契約先に影響する事案です。同じサービスをめぐっては、奈良県の自治体でも配信の停止が公表されています。くわしくは、生駒市など奈良の防災メールが自動配信停止 不正アクセスで何が起きたにまとめています。
漏えいのおそれがある情報
堺市の資料では、2つのシステムが対象です。いずれも「おそれ」で、漏えいが確定したわけではありません。
| システム |
登録件数 |
漏えいのおそれがある情報 |
| 避難情報等一括配信システム(市民の登録者) |
886件 |
氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス |
| 職員招集システム(市職員) |
7,064件 |
氏名、電話番号、メールアドレス |
漏えいの有無や範囲は、事業者が調査中です。堺市は、登録者へメール・FAX・電話で個別に注意を呼びかけるとしています。
大阪・関西では
堺市に住み、避難情報の配信に登録していた人は、便乗した不審な連絡に注意してください。氏名・住所・電話番号などが一緒に漏れたおそれがあると、本物らしい文面の詐欺が作られやすくなります。身に覚えのない連絡で、氏名・住所・パスワード・口座情報などを教えたり、URLや添付を開いたりしないでください。
このサービスは全国の自治体が使っているため、堺市以外の市町村でも、今後、同じ事案の公表が続く可能性があります。お住まいの自治体の防災メールに登録している人は、各自治体のお知らせも確かめてください。
災害のときに情報を受け取る手段は、登録制の配信だけではありません。堺市の資料には、防災メールが止まっているかどうかは書かれていませんが、万一に備えて、次の手段も使えるようにしておくと安心です。
- 緊急速報メール(エリアメール): 携帯電話会社が対応機種に一斉配信します。事前の登録は要りません
- Jアラート、テレビ・ラジオ、堺市の公式サイト・SNS
今日からできること
- 堺市の防災メールに登録している人は、堺市からの個別の連絡と、公式サイトのお知らせを確かめる
- 堺市やアルカディアをかたる不審なメール・SMS・電話に注意する。氏名・住所・口座情報などを教えず、URLや添付は開かない
- 災害の情報を、緊急速報メール・テレビ・ラジオ・市の公式SNSなど、複数の手段で受け取れるようにしておく
- お住まいの自治体の防災メールに登録している人は、各自治体のお知らせも確かめる
- 不安なときは、堺市危機管理室 危機管理課(072-228-7605)に問い合わせる
便乗の詐欺が出てくるかもしれん。知らん連絡には、あわてて返事せんのが一番やで。災害の備えは、情報の受け取り方も複数持っとこな。