平日の昼に仕事を抜けて、書類を出しに長浜市役所の窓口へ行く。番号札を取って待つその手続きを、家から済ませられる場面を、市はこの先の4年で増やそうとしています。
滋賀県長浜市は10月29日、2027年度から2030年度までの4年間の「第二次長浜市DX推進戦略」の案を公表しました。今の戦略が2026年度末で終わるため、次の計画を作ります。11月27日まで、市民の意見を募っています。
案の「市民サービス」の目標(KPI)。基準値は2025年度、目標値は2030年度出典: 長浜市(引用)
928件をオンライン化、使われているのは4割
今の戦略の4年間で、市は行政手続きのオンライン化を「概ね完了」したとしています。オンラインで申請できる手続きは928件です。
ただ、使われ方には手続きごとに差があります。1年間の手続きの件数のうち、オンラインで受け付けた割合は、2025年度で41.6%でした。案は、これを2030年度に50.3%へ上げる目標を立てています。利用が少ない手続きは、申請の流れや案内の仕方を見直し、選びやすい形に整えるとしています。
ほかの目標も、数字で示しています。デジタルを使ったサービスへの市民の満足度は、市民意識調査で2.99から3.13へ。自治会などにデジタルサポーターを送る回数は、2025年度の48回から55回へ増やします。
「行かない窓口」と「書かない窓口」
案の中で、市民の手間に直接関わるのが窓口の見直しです。窓口に足を運ぶことを前提にしない「行かない窓口」を基本の方向にすえ、マイナポータルなどでオンラインで終えられる手続きは、家から済ませられる形に広げます。
法令の決まりなどで、来庁や対面での確認がいる手続きもあります。こうした手続きは「書かない窓口」を広げ、来たときの負担を小さくします。窓口の予約を定着させて待ち時間を減らし、マイナンバーカードと市のシステムを組み合わせて、書類への記入や同じ情報を何度も出す手間を減らすとしています。
市の手続きでの支払いも、キャッシュレス決済を選びやすくなるよう案内を工夫し、現場で扱う現金を減らしていきます。デジタルに慣れない人には、地域の担い手や民間の事業者と組んだデジタルサポーターの支援を広げ、高齢の人や障害のある人への対応を重点にするとしています。
今の戦略で入れた主なシステムと、次の戦略での課題(案の3ページ)出典: 長浜市(引用)
生成AIは、職員の仕事の土台に
案の中心に置かれているのが、生成AIです。今の戦略では「個人が任意で活用するツール」でしたが、次の戦略では「組織として利用する基盤」に位置づけを変えます。職員が減っていく中で、文書の作成や要約、調査、データの分析に生成AIを組み込み、空いた時間を窓口や電話、対面の相談に充てるという考え方です。
利用の量の目標もあります。生成AIの利用量は、2026年度の見込みで年7億文字分です。これを2030年度に年12億文字分にします。一方で、生成AIには機密情報や個人情報が漏れるおそれや、誤った情報を作るおそれがあるとし、利用のルールを整え、人が確かめて最終的な責任を持つことを前提にするとしています。
長浜市の人が、今できること
案は、長浜市のホームページでPDFを読めます。市役所本庁舎3階のデジタル行政推進課の窓口と、本庁舎1階・北部合同庁舎1階の市政情報コーナーでも見られます。
意見は、11月27日まで出せます。出し方は、市のページの意見提出フォームか、住所・氏名・連絡先の電話番号と意見を書いて、持参・郵送・ファクス・メールでデジタル行政推進課へ送るかのどちらかです。電話では受け付けていません。個別に回答はしませんが、意見を整理して、市の考え方をホームページで公表するとしています。
よく使う手続きがオンラインで使いにくかった、窓口で何度も同じことを書いた。そうした経験があれば、それがそのまま意見になります。
滋賀の長浜で、窓口で待たされた覚えがあるなら、11月27日までに一言書いて出しとこな。