米国で核融合発電を目指すType One Energyの実証機に、滋賀県で作る装置が載ります。京都フュージョニアリングが11月5日に発表した受注で、全数の納入は2029年の予定です。金額と基数は公表されていません。
社名に京都とありますが、本社は東京都大田区です。それでも開発の拠点は京都府久御山町にあり、今回の製造も滋賀県の工場が担います。ものづくりの足場は関西にある会社です。
受注した「ジャイロトロン」は、強いマイクロ波を出す装置です。核融合発電では燃料を超高温のプラズマにする必要があり、そのプラズマをマイクロ波で温めます。
マイクロ波で温める点は、家庭の電子レンジと同じです。ただ、規模がまるで違います。周波数は170GHzで、電子レンジの2.45GHzの約70倍です。出力は1MW級で、1,000Wの電子レンジの約1,000倍にあたります。

1〜2基の注文から、まとめての注文へ
同社はこれまで、英国のTokamak Energyや米国のQuaise Energyなどに納めてきました。その多くは、研究や実験のために1〜2基ずつ頼まれたものです。
今回は2つの点で違います。客が発電プラントの建設を計画する民間企業であること、そして実証機の加熱システムをまとめて受注したことです。設計と製造に加え、工場での試験、輸送、米国での据付と受入試験の監督まで引き受けます。
プラントの建設日程に合わせて納めるので、遅れは客の工程に響きます。世古圭社長は「安定した品質の機器を予定どおりに届けることは、性能と同じくらい重要」と話しました。研究用の装置を作る会社から、工程を守る部品メーカーへ変わる話とも読めます。
Type One Energyは、ねじれた形の磁場でプラズマを保つ「ステラレータ」方式の会社です。2026年10月に2億ドルの資金調達を発表しました。









