顧客インタビューの録画を、チームの外にも見せたい。でも、話し手の名前や勤務先が映っているので、出せない。そんな悩みに向けた機能を、京都市に本社を置くはてなが10月26日に加えました。インタビュー分析のサービス「toitta(トイッタ)」の「プライバシーマスク機能」です。AIが隠す候補を見つけ、人が確かめて確定する作りです。
toitta公式ブログのお知らせ(10月26日)出典: 株式会社はてな(toitta公式ブログ)(引用)
何を隠すのか 話し手本人が分かる5つの情報
自動で見つける情報の種類(toitta公式ブログ)出典: 株式会社はてな(toitta公式ブログ)(引用)
AIは、書き起こしのテキストをもとに、話し手本人についての次の情報を候補として見つけます。
| 種類 |
例 |
| 個人名 |
本人の名前 |
| 所属 |
会社名、学校名、団体名など。本人の特定につながる出身校や前職も含む |
| 居住地 |
市区町村、番地、建物名など、都道府県より細かいもの |
| 番号・連絡先 |
本人の電話番号、メールアドレス、各種の番号、郵便番号、生年月日など |
| 間接的に本人が分かる情報 |
本人の会社の独自の製品名や、本人が営む店の名前など、組み合わせると本人が分かるもの |
職種や業界名、広く使われているツールの名前といった一般的な言葉は、隠しすぎないよう対象外にしています。公式のブログは、「IT企業」「映像系の学部」のように特定の組織を指さない言葉まで消えると、分析に使える情報が残らなくなるためと説明しています。
確定は人が判断する AIは見落とすことがある
はてなが大事にしたのは、AIの検出は「候補の提示」にとどめる設計です。何を隠すべきかは、会社や案件のルールで変わるためです。担当者は、隠す前の映像と書き起こしを見ながら候補の採否を決め、検出漏れは手で足します。
AIは、書き起こしの固有名詞の誤字や、言い直しで書き起こしに出なかった発話などを見落とすことがあるとしています。確認の画面では、再生しながら区間を選んで無音にすることもできます。
担当者が確定するまで、そのインタビューを見られるのは、アップロードした本人とチームの管理者だけです。切片やレポートも作られないため、ほかのメンバーが分析に使えるのは、隠し終えたデータだけになります。
確定すると、元のデータは消えて戻せない
確定すると、書き起こしは種類を示す言葉か指定した言葉に置き換わり、音声はその区間が無音になります。ファイル全体には、プロジェクトごとに次の処理も選べます。
- 音声: そのまま残す/ボイスチェンジをかける/音声を消す
- 映像: そのまま残す/画面全体にぼかしをかける/映像を消す
同じ人物や場所は一貫した記号に置き換わるので、隠したあとも、だれとだれの発言がつながっているかは分かります。一方で、確定したあとは、隠す前のデータをだれも見られなくなり、処理が終わると速やかに消されます。編集の権限があっても、元には戻せません。使うには申し込みが必要です。
関西の会社で顧客インタビューを扱う人ができること
toittaを使うかどうかにかかわらず、インタビューの録画や書き起こしを社内で共有するときに見直せる点があります。
- 何を隠すかのルールを先に決める: 名前だけでなく、勤務先や住まい、本人が営む店の名前など、組み合わせると本人が分かる情報も対象にするか
- AIや自動の処理のあとに、人が確かめる手順を残す: 固有名詞の聞き間違いや言い直しは、自動の処理で漏れやすい
- 元のデータをいつ消すかを決める: 隠したあとのデータだけを残すなら、元に戻せないことを関係者に伝えておく
京都や大阪の会社で、商品開発や採用、顧客の声の聞き取りの録画を残しているなら、録画の置き場所と、だれがどこまで見られるかを書き出しておくと、ツールを選ぶときの物差しになります。