1957年9月13日、北海道でも赤いオーロラが見られたとされる日がありました。同じ日、アルジェリアと南極の観測所では、磁石の動きが印画紙に線となって焼き付いていました。
その線を、いま自宅のブラウザで拡大して見比べられます。
京都大学と名古屋市立大学、名古屋大学の研究グループが10月30日、地磁気の古い記録を集めたウェブサイト「COMPASS(コンパス)」の公開を発表しました。世界41か国、121か所の観測所が残した約140万枚です。
COMPASSの閲覧画面。1957年9月13日の磁気嵐の記録を、アルジェリア(左)と南極(右)で並べた例出典: 京都大学(報道用の素材)
紙とフィルムでしか読めない嵐がある
太陽から大量のガスが吹き付けると、地球の磁場が大きく乱れます。これが磁気嵐です。特に大きなものは、停電や人工衛星の故障、通信障害を起こすことがあります。
電子の観測が広まる前の嵐は、印画紙やマイクロフィルムの記録でしか調べられません。しかも、二度と取り直せません。1957年の例でも、アルジェリアと南極の記録は、まだどこにも数値になっていないそうです。
研究グループが見ているのは、将来起こりうる最大級の磁気嵐の大きさです。過去の大きな嵐を読み直せば、その見積もりに近づけます。
古文書の公開と同じ仕組みを使った
記録を集めてきたのは、京都大学の地磁気世界資料解析センターです。世界中の観測所から受け取った記録を、長年かけてデジタル画像にしてきました。
いちばん古いものは、1844年のヘルシンキの手書きの観測表です。量は、英国地質調査所が公開する同じような画像集(約25万枚)の5倍以上あります。
新しいのは見せ方です。図書館や美術館が古文書や絵画の公開に使う国際規格「IIIF」を、地磁気の観測データとして世界で初めて採用しました。観測所と年を選んで本のページをめくるように見ていき、1分ごとの変化まで拡大できます。
次の目標は、線を数字に読み取る作業の自動化です。人工知能で記録を数値にする技術の開発を進めるとしています。成果は11月10日、北海道大学で開かれる学会で発表されます。
自分で見る手順
COMPASSのページを開き、記録の補足情報にある「Open IIIF Viewer」のリンクを押します。観測所と年を選べば、記録が順に出てきます。
京都に世界中の磁石の記録があるて、ちょっと自慢したなるな。