改札で切符もカードも出さず、顔で通る。関西 ではもう身近になりつつある顔認証改札を、九州でも試す動きが始まりました。JR九州は2026年10月16日、博多駅で顔認証改札の実証実験をすると発表しました。関西の大阪メトロやJR西日本 の取り組みと比べながら、何が違うのかをまとめます。
JR九州の実験の中身
JR九州の発表によると、実験の中身は次のとおりです。
期間: 2026年11月〜12月(予定)
場所: 博多駅の既存の自動改札機5通路(中央改札口2通路、北改札口2通路、アミュプラザ改札口1通路)。改札機に顔認証用のカメラを付ける
対象: JR九州の社員がモニターになる。一般の人の募集は書かれていない
協力会社: 顔認証の技術はNEC、顔認証の改札機は日本信号
確かめること: 歩きながらの顔の検出の精度、マスクや明るさの影響、通るときの反応の速さ、既存の改札機にカメラを付けたときの動きの安定性
JR九州の発表。博多駅の5通路で、社員を対象に試す。改札機にカメラ2台 出典: 九州旅客鉄道(PR TIMES) (引用)
料金 や乗車券とのひも付け、本格的に導入する時期は書かれていません。JR九州は前日の10月15日、2027年春に開業する予定の新駅「JR貝塚駅」に、九州で初めての顔認証改札を入れる予定だとも発表しています。
大阪・関西の顔認証改札はここまで進んでいる
関西では、すでに一般の人が使える顔認証改札があります。
大阪メトロ
JR西日本
JR九州(今回)
始まった時期
2025年3月25日
2026年3月2日(新しい改札機)
2026年11月〜12月(予定)
場所
全134駅中130駅
大阪駅(うめきた地下口・連絡橋口)、新大阪駅(東口)
博多駅の5通路
使える人
e METROアプリ で登録した人
大阪〜新大阪を含むICOCA 定期券を持ち、モニター登録した人
JR九州の社員
乗車券
アプリで買うデジタル乗車券(ICカードや定期券は不可)
ICOCA定期券(顔認証とICの併用は不可)
書かれていない
大阪メトロは、2026年4月から、顔認証改札も使える「Osaka Metro 30日乗車券」(大人12,000円、2027年3月31日までの期間・数量限定)を出しています。顔認証改札で通勤したいという利用者の要望を受けたものだと説明しています。JR西日本は、利用状況をふまえて、ほかの改札口や駅への展開を考えるとしています。
顔のデータ、扱いは会社ごとに違う
顔の画像は、本人を見分けられる大事な個人情報です。各社の説明を並べると、扱いに違いがあります。
大阪メトロ: 登録した顔画像を、顔の特徴のデータに変えて認証用のサーバーに登録する。改札のカメラは常に動いているが録画はしておらず、改札で撮った顔の画像と特徴のデータは、認証後すぐに消す。登録した情報は、乗車券の有効期間が終わってから一定期間後に消す(期間の長さは書かれていない)
JR西日本: 改札で撮った顔の画像と特徴のデータは、認証後すぐに消す。録画はしていない。登録した情報は、外部につながらない専用のネットワークで管理する
JR九州: 社員が対象の実験だが、カメラの撮影範囲の画像を一時的に取得・保存する。画像は精度の検証と技術の改善にだけ使い、実験の終了後に速やかにすべて消す。撮影範囲の外では、顔認証も画像の取得もしない
JR九州の実験では、社員でない人が対象の改札機を通ったときも、撮影範囲の画像が一時的に保存されることになります。撮られたくない人は、別の改札機を使うよう案内されています。
利用する前にできること
対象の改札機の近くに、撮影の案内が出ていないかを見る。撮られたくなければ、ほかの改札機を使う
大阪メトロの顔認証改札を使うなら、利用規約と個人情報の取り扱いを読んでから登録する。マスクや帽子などは、通るときにできるだけ外すよう求められている
登録した顔のデータがいつ消えるかを、各社の説明で確かめておく
覚えておきたいこと
JR九州は、2026年11月〜12月に博多駅で、社員を対象に顔認証改札を試す。一般の人はまだ使えない。
大阪メトロは130駅で、アプリのデジタル乗車券と顔をひも付けて使える。JR西日本は大阪〜新大阪のICOCA定期券のモニターで試している。
顔のデータの扱いは会社ごとに違う。登録する前に、録画の有無や消す時期を確かめる。