スマートフォンを眺めていると、「この値段でこの性能!?」と目を引く広告が流れてきます。その手軽さの裏で、「広告どおりの性能がなかった」「返品したいのに連絡がつかない」というトラブルが増えています。京都府の宇治市消費生活センターが、SNS広告で高性能をうたう格安商品に注意を呼びかけました(市政だより10月15日号)。
どんな相談が相次いでいるのか
宇治市消費生活センターには、次のような相談が多数寄せられているといいます。
「安い×高性能」のSNS広告の手口と対処(編集部作成)作成: 編集部 / もとの資料: 宇治市消費生活センター(市政だより10月15日号)を編集部が整理
紹介されている例では、「自動ピント調整機能付きの眼鏡」が安く売られているSNS広告を見て、代金引換(代引き)で注文したところ、届いた眼鏡のレンズには度が入っていませんでした。返品の受付窓口に電話をしても、話し中で通じない、という内容です。
眼鏡のほかにも、エアコンのような冷風が出るとうたうサーキュレーターなど、さまざまな商品で同じような相談があるとされています。いずれも、高性能をうたっているわりに、値段が数千円程度のケースが多いのが特徴です。
なぜ気づきにくいのか
この手の広告は、「安い」と「高性能」という、本来は両立しにくい二つを同時に見せてきます。「お得だ」と感じた瞬間に、冷静な判断が後回しになりやすいのです。さらに、代金引換で届いてしまうと、「商品が手元に来た」という安心感から、中身を十分に確かめる前に支払ってしまうこともあります。
宇治市消費生活センターは、業者に無断で返品しても返金されない点にも注意を促しています。届いてから気づいても、取り戻すのは簡単ではありません。
暮らしへの影響と、できる対処
被害額が数千円だと、「勉強代」と諦めてしまいがちです。しかし、泣き寝入りが続くと、同じ手口がなくなりません。暮らしを守るために、次のことを心がけたいところです。
- 買う前に相場を調べる: 注文の前に、同じような商品の値段をインターネットで確かめます。相場とかけ離れて安いときは、いったん立ち止まります。
- 「うますぎる話」を疑う: 「安い」と「高性能」が両立する広告は、まず疑ってみます。
- 支払い方法で油断しない: 代金引換でも被害は起きます。「届いた=安心」ではありません。
- おかしいと思ったら相談する: お住まいの消費生活センターや、消費者ホットライン「188(いやや)」に相談します。全国どこからでもつながります。
関西の暮らしでも、身近な話
今回注意を呼びかけたのは宇治市ですが、SNS広告のトラブルは、関西のどの街でも、どの世代でも起こりえます。とくに、ふだんネット通販に慣れていない家族や、高齢の親が一人で注文してしまうと、相談が遅れがちです。
「こんな広告があったけど、どう思う?」と、家族の間で気軽に話せる雰囲気をつくっておくことも、立派な備えです。安さに引かれて指が動く前に、ひと呼吸おいて相場を調べる。その小さな習慣が、暮らしのお金とストレスを守ります。