4.8分。
平日の夕方5時台に、茨木市の東福井3丁目交差点から西河原西交差点まで走るとき、道を変えるだけで縮む時間です。大阪府が10月30日、カーナビなどの位置情報を分析した結果として公表しました。
舞台は、国道171号と余野茨木線が交わる中河原南口交差点。府によると、南へ向かう車線は交通量が多く、慢性的に混んでいます。
大阪府と茨木市のチラシ。赤が中河原南口を通る道、青が迂回ルート出典: 大阪府「中河原南口交差点の迂回をお願いします!」(引用)
差が開くのは夕方、昼はほとんど同じ
チラシの左下に小さく載っているグラフが、この話でいちばん役に立ちます。2025年11月の平日の所要時間を、7時台から18時台まで、中河原南口を通る道(赤)と東回り(青)で比べたグラフです。
東福井3丁目から西河原西までの所要時間。差は17時台の4.8分が最大出典: 大阪府「中河原南口交差点の迂回をお願いします!」(引用)
青の線は、朝から夕方まで10分から12分ほどでほとんど動きません。ところが赤の線は、昼の11分弱から夕方の16分台まで上下します。つまり、時間が読みにくいのは中河原南口を通るほうです。
差のいちばん大きい17時台で4.8分、18時台も4分ほどあります。朝の8時台は2分あまり。13時台になると2本の線はほぼ重なり、どちらを選んでも変わりません。4.8分のほかの数字は、グラフから読み取った目安です。
グラフの上では、東回りが赤の線より遅い時間帯はありません。だからといって、いつでも東回りがよいとは限らないでしょう。昼に急がないなら、走り慣れた道のままでも差はわずかです。
朝の通勤時間帯より夕方のほうが差は開きますが、その理由は府の資料からは分かりませんでした。
佐保や大岩から出る人ができること
案内の対象は、茨木市の佐保地区や大岩地区のほうから、京都・高槻方面や茨木市街地へ向かう人です。道順は次のとおりです。
- 余野茨木線を南へ下り、東福井3丁目交差点で東へ入る
- 都市計画道路の山麓線を、安威3丁目交差点まで進む
- 茨木亀岡線を南へ走り、国道171号の西河原西交差点に出る
国道171号を箕面方面へ行く人や、茨木ICから高速に乗る人は、対象に挙がっていません。対象に当たる人は、平日の夕方に一度走ると、いつもの道との差を自分の時計で測れます。
道を広げずに、データで車を分ける
分析の元になったデータを、プローブデータといいます。走っている車のカーナビなどから集めた、位置と速度の情報です。府はこれを調べて東回りのほうが早いと確認し、看板やSNS広告で知らせることにしました。
この取り組みを、府はTDM(交通需要マネジメント)と呼びます。道路を広げるのではなく、混む場所や時間を避けてもらって車の流れを分ける考え方です。府のページに載っている令和8年度の実施箇所は、10月31日の時点でこの1か所でした。
自分の車の動きまで見られているのでは、と気になる人もいるでしょう。チラシの出典は「民間プローブデータ」とあるだけで、提供元の社名はありません。公表されているのも、時間帯ごとの所要時間です。
別の仕組みですが、国土交通省や高速道路会社が定めたETC2.0の方針が参考になります。走行の始まりと終わりの地点は集めず、第三者には個別の車両を特定できないよう統計処理した情報を渡すとしています。ETC2.0対応カーナビと連動する車載器なら、設定で提供の可否を選べる場合もあります。自分のカーナビやアプリの扱いは、それぞれの規約で確認できます。
もっとも、東回りへ移る車が増えれば、グラフどおりの差は続かないはずです。山麓線の沿道に住む人にとっては、車が増える影響もあるかもしれません。看板を置く場所や呼びかけの期間、2本の距離の差、効果を測るかどうかは、発表からは分かりませんでした。
夕方5時台に171号へ出るんやったら、東福井3丁目で一回東へ振ってみるのもありやな。