AIで自分の仕事はなくなるのか。そう考える人に向けた政策の提言を、政党のチームみらいが10月26日、木原官房長官に手渡しました。安野党首、古川幹事長、高山国対委員長が、「AI失業」への対策をまとめた提言書を届けたと、特設サイトで知らせています。何を求めたのかを整理します。
チームみらいの特設サイト「AI失業に備える」出典: チームみらい(引用)
「AI失業」とは 提言が挙げる数字
特設サイトは「AI失業」を、AIの普及で人が担う仕事が減り、失業したり就職できなくなったりすることと説明しています。遠い未来の話ではないかもしれないとして、次のような調査を挙げています。
| 提言が挙げる数字 |
出典として示すもの |
| 業務にAIを使っている日本の会社は86.4% |
総務省「情報通信白書 令和8年版」(2026年7月) |
| 仕事でAIを使う人のうち、自分の作業の一部をAIが自動で処理するようになった人は58.6% |
労働政策研究・研修機構(2025年) |
| 米国で、ソフトウェア開発職の若い人の雇用が約20%減った |
スタンフォード大学の研究者の調査(2026年) |
数字は、チームみらいが提言の理由として示しているものです。あわせて、海外の視察や国内の人へのAIによる聞き取りで集めた声も載せています。
政府への2つの提言
政府への2つの提言の中身(特設サイト)出典: チームみらい(引用)
| 柱 |
中身 |
| 1. AIの社会実装を支える規制・制度改革 |
省庁をまたいでAIを使う上での規制や制度の課題を整理する / 新しい技術が実用化される前から、利用の条件や新しい評価の方法の受け入れ方を検討する / AIで法令を横断して点検し、見直すべき点を洗い出す |
| 2. AIによる仕事・雇用の変化に対応する労働政策 |
働き方の変化と人々の対応を国が継続して調べ、政策に生かす / 一人ひとりの経験や希望に応じた学び直しとキャリア選択を支える / 仕事が変わっても支援が途切れないよう制度を整え、AIを使う職場でも働く人の権利と安全を守る |
提言は、AIの恩恵を受けながら、仕事が減るショックに備えるという考え方です。政府がこの提言をどう受け止めたかは、10月26日時点では示されていません。チームみらいは以前にも、AIとサイバーセキュリティの対策を政府に提言しています(チームみらいのサイバーの提言の記事)。
関西で働く人ができること いまの困りごとは公的な窓口へ
提言は国の制度の話ですが、特設サイトは、いま仕事や生活で困っている人向けに、次の公的な相談先も並べています。
| 困りごと |
案内されている相談先 |
| 解雇や雇い止め、賃金の引き下げなど職場のトラブル |
総合労働相談コーナー |
| 報酬の未払いや一方的な減額などフリーランスの取引のトラブル |
フリーランス・トラブル110番 |
| 離職や収入の減少による生活の不安 |
自立相談支援機関(要件を満たせば住居確保給付金) |
| 仕事上のストレスや心の不調 |
こころの耳 |
| 仕事に必要なスキルを身につけたい |
求職者支援制度(要件を満たせば給付金を受けながら無料の職業訓練) |
厚生労働省によると、総合労働相談コーナーは各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署などの378か所にあり、大阪や京都、兵庫の労働局にもあります。AIで仕事の中身が変わり始めた人は、まず社内でどの作業が変わりそうかを書き出し、学び直しの制度と合わせて考えると、次の一歩を決めやすくなります。