塩野義製薬は2026年10月15日、NEDOの量子計算コンテストで、QoL(生活の質)部門の第1位を受賞しました。量子コンピュータとスーパーコンピュータを組み合わせ、新薬候補を効率よく探す創薬研究が評価されたとしています。
量子計算の制約を補い、新薬候補を探す
コンテストは、量子コンピュータを社会で役立てるための活用事例を募るものです。今回の研究では、量子計算の特性を生かし、新薬候補となる化合物を生み出し、評価し、改良する過程を繰り返します。
同社によると、現在の量子コンピュータには技術的な制約があり、それをスーパーコンピュータで補う研究設計です。量子コンピュータだけに任せるのではなく、両方を組み合わせて研究を進める点が特徴です。
新薬候補の探索を効率化し、開発を速める可能性に加え、創薬以外の分野への応用可能性も評価されたとしています。
暮らしと仕事への影響
暮らしに関わるのは、将来の薬づくりにつながる可能性です。同社は、開発の加速が期待される新薬に、治療が難しい難治性疾患や、患者数の少ない希少疾患向けも含まれるとしています。
ただし、今回評価されたのは研究のアプローチと開発を速める可能性です。受賞を、新しい薬がすぐに使えるという意味で受け取らないことが大切です。
研究や技術導入に関わる仕事では、量子コンピュータにすべてを置き換える話ではない点が参考になります。新しい技術の制約を別の計算手段で補うという、組み合わせ方に注目できる事例です。
大阪・関西では
塩野義製薬の本社は大阪市北区にあります。今回の受賞は、大阪に本社を置く製薬会社による、量子計算を使った創薬研究の成果です。
取り組みの一部は、量子ソフトウェア企業のクラシック・テクノロジーズ合同会社と共同開発しました。また、塩野義製薬の別提案「ヘルスケア個別最適化技術」も第4位に入賞しています。