マサチューセッツ工科大学(MIT)は2026年10月15日、細胞が受け取ったシグナルを推定するAIモデル「IRIS」の研究を発表しました。細胞全体の遺伝子の活動を手がかりに、どのシグナル伝達経路が働いていたかを調べます。幹細胞の操作や、臓器を模す立体モデルの改良につながると期待しています。
遺伝子の活動に残る「合図の跡」を読む
シグナル伝達経路は、細胞が受け取った合図を内部へ伝える仕組みです。MITによると、経路ごとに固有の遺伝子活動パターンが残り、同じ経路なら細胞の種類が違っても共通していました。
IRISは、データからパターンを学ぶニューラルネットワークを使います。数千個のヒト胚性幹細胞について、複数の発生段階で測ったデータを学習しました。主要な6つの経路を数十通りに組み合わせた際の反応が含まれています。学習済みの知識を別の対象に生かす「転移学習」により、未学習の細胞種でもシグナルを推定できるとしています。
マウス胚での検証では、心臓・腸・筋肉・脊髄になる細胞で、経路が働く時期と場所を正確に予測したといいます。肺の発生に重要な細胞の形成を促す経路も予測し、マウス胚の実験で確認しました。








