理化学研究所 (理研)は2026年6月19日、AI(人工知能)を使った科学研究「AI for Science」の開発用に導入する新しいスーパーコンピュータ(スパコン)の名称を、「理究(りきゅう)」に決めたと発表しました。英語表記は"RIKYU"です。置き場所は、神戸 市ポートアイランドの理研神戸地区です。
何が決まったのか
発表によると、「理究」は「AIによる科学研究の革新」を目的に、神戸市ポートアイランドの理研神戸地区に導入する計算機システムです。理研の科学研究基盤モデル開発プログラム(AGIS)と、計算科学研究センター(R-CCS)の連名の発表です。
名称は、1千件以上の応募の中から選ばれました。「理」は自然現象の背後にある原理・法則、「究」はそれをAIとハイパフォーマンスコンピューティングを活用して探り、きわめるという意味だと説明されています。茶人の千利休(せんのりきゅう)の「利休」と音が同じで親しみやすい点も、選んだ理由に挙げられています。
理研の発表ページ。「理究」の名称決定と、神戸地区に導入することが書かれている 出典: 理化学研究所 ウェブサイト (引用)
項目
発表の内容
名称
理究(りきゅう)、英語表記は"RIKYU"
目的
AIによる科学研究の革新
設置場所
神戸市ポートアイランドの理研神戸地区
構成
NVIDIA GB200 NVL4を搭載した計算ノード400台(NVIDIA Blackwell GPU 1,600基)
運用
発表時点で、7月の運用開始に向けて調整中
2025年7月の理研の発表では、システム全体の設計・構築は富士通株式会社が行い、運用は理研の計算科学研究センターが行うと書かれています。
「富岳」との関係
発表は、AI向けの超並列計算に強みを持つ「理究」と、大規模科学計算に強みを持つ「富岳 」が連携することで、高度な科学研究基盤モデルの開発・活用に大きく貢献することが期待される、としています。
性能は、AIの学習や推論で多用される16ビットや8ビットの浮動小数点演算で、エクサスケール級(1秒間に10の18乗回、100京回以上)と発表されています。細かい性能の数字は、理研の発表のページで確かめてください。
大阪・関西では、神戸が舞台
設置場所のポートアイランドは神戸市にあり、理研神戸地区には計算科学研究センターがあります。同じセンターの量子コンピュータ の話題は、神戸の理研とソフトバンク、量子とスパコン連携の試用に20件採択 の記事で、研究の話題は神戸の理研R-CCS、QCE2026でBest Paper Award第3位 の記事で紹介しています。
関西の会社や大学にとっての意味は、発表の範囲では「利用体制が整備される予定」というところまでです。
使えるようになったら、関西の会社・大学が確かめること
発表は、AGISプログラム内での科学研究基盤モデル開発だけでなく、国内および国際協力のAI for Science研究に幅広く活用できるよう、利用体制を整備していくとしています。次の点は、発表に書かれていません。
産業利用(会社の利用)を受け付けるかどうか、受け付ける場合の申し込み方法・料金・時期
大学や研究機関の利用の申請の方法
7月に運用が始まったかどうか(確かめた範囲では、運用開始の公式の発表は見つかっていません。2026年10月10日時点)
申し込みを考える会社や大学は、理研と計算科学研究センターの公式のお知らせで、利用の案内が出るのを確かめるのが確実です。発表の問い合わせ先は、理研のAGISプログラムの窓口と広報部だと書かれています。
暮らしへの影響
すぐに暮らしが変わる話ではありません。発表は、研究のための計算基盤の話で、一般の人が使うサービスの話ではありません。基礎科学から応用まで幅広い研究を支える計算基盤をめざす、と説明されています。
神戸の街に、AI研究の大きな計算基盤ができる。名前に千利休の音が入っとるのも、ちょっとおもろいなあ。