理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS、神戸市)のプロセッサ研究チームが、量子コンピューティングの国際会議「QCE2026」でBest Paper Award(第3位)を受賞しました。R-CCSが2026年10月8日に発表しています。
何が評価されたのか
発表に書かれている内容は次のとおりです。
項目
発表の内容
受賞者
Jan Erik Reinhard Wichman研究員、Werner Florian Samayoa特別研究員、Prasoon Ambalathankandyさん(2026年4月まで同研究チーム所属、博士研究員)、佐野健太郎チームプリンシパルらの研究チーム
論文
Scalable FPGA-based Decoder for Quantum Error Correction with Syndrome Subgraph Algorithm
会議
IEEE(米国電気電子学会)のInternational Conference on Quantum Computing and Engineering(QCE)
賞
QTEMトラックのBest Paper Award(第3位)
R-CCSの受賞のお知らせのページ(2026年10月8日) 出典: 理化学研究所 計算科学研究センター ウェブサイト (引用)
QCEは、量子コンピューティング分野を代表する国際会議の一つです。大学などの研究機関の研究者と産業界の関係者が集まる場で、QCE2026では各トラックから優れた論文3件が表彰されたと発表されています。
論文の題を読み解く
発表には、論文の仕組みや性能の数字は書かれていません。ここでは、題に出てくる言葉を一般的な意味で説明します。論文の中身の説明ではありません。
量子誤り訂正 : 量子コンピュータは一般に、計算の途中でエラーが起きやすいとされます。そのエラーを見つけて直す仕組みです
デコーダ : 一般に、エラーの手がかりのデータから、どこで何が起きたかを読み解く部分です
FPGA : 一般に、あとから回路の組み方を書き換えられる半導体チップです
研究者のコメントでは、FPGAを使った量子誤り訂正のデコーディングに対する、新しいアプローチが評価されたと述べられています。今後は、日本の量子コンピューティング研究者と連携し、実際の量子コンピューティング環境で成果を実証して、実社会での有用性を示すことをめざすとしています。
大阪・関西では、神戸の研究拠点はどんな場所か
R-CCSは、神戸市中央区港島南町7-1-26にあります。最寄りはポートライナーの「計算科学センター駅」で、改札から施設まで約徒歩3分と案内されています。三宮駅からポートライナーで約15分、神戸空港からは約5分です。
「シミュレーション」「ビッグデータ解析」「AI」を融合した最先端の研究を、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)で実践する。それがR-CCSの使命です。
出典: R-CCS ミッション
スーパーコンピュータ「富岳」は2021年3月に共用が開始されました。2026年10月9日付けの別のお知らせでは、関連リンクとして「量子コンピュータ IBM Quantum System Two を神戸で本格稼働」(2025年6月24日)が並んでいます。今回の受賞論文とこれらの関係は、発表に書かれていません。
暮らしと仕事への影響
量子コンピュータは、すぐに生活を変える話ではありません。発表には、成果が製品やサービスになる時期は書かれていません。
ただ、神戸の公的な研究機関が、量子コンピューティングの国際会議で評価されたことは、関西の理工系の学生や、先端技術に関わる会社の人には知っておきたい話です。
今日からできること
R-CCSの発表ページ の関連リンクにあるQCE2026のウェブサイトで、会議の全体像を見る
見学を考える人は、R-CCSの公式のアクセスのページで、団体や車いすの利用は事前相談が必要なことを確かめる
量子コンピュータの基本は、理研の公式のお知らせの一覧から、気になる題を選んで読む
地元の神戸から世界の会議で表彰されるて、ほんま誇らしい話やな。