個人で事業を始めるときに税務署へ出す届出が、e-Taxで、まとめて出せるようになります。国税庁は2026年10月20日、e-Taxのお知らせで、2027年(令和9年)1月から、個人事業者などの開業に関する手続の新しい機能を提供する予定だと知らせました。国税庁のお知らせとタックスアンサーをもとに、変わることを整理します。
何が変わる? 開業の5つの届出を1回で
令和5年度の税制改正で、個人事業者が開業するときの届出などを一括して出せる「統合様式」ができました。e-Taxでも、この開業に関する届出などを、まとめて出したり、必要なものだけ選んで出したりできるようになります。国税庁は、届出の作成や提出の負担が軽くなり、開業の手続が簡単で便利になるとしています。
お知らせには、改修後の画面のイメージも載っています。所得税と消費税の申請・届出のメニューに、「個人開業の開業・青色申告・源泉所得税関係手続の一括届出等」が加わります。
改修後の画面のイメージ。申請・届出のメニューに一括届出が加わる出典: 出典:国税庁ホームページ(https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2026/topics_20261020.htm)(公共データ利用規約(第1.0版)に準拠した国税庁ホームページの利用条件による(2026年10月20日確認))
選ぶと、申請内容の入力、確認、署名・送信、完了の順に進む画面になります。最初の画面には、この様式で同時にできる手続が並びます。
改修後の基本情報の画面のイメージ。同時にできる5つの手続が並ぶ出典: 出典:国税庁ホームページ(https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2026/topics_20261020.htm)(公共データ利用規約(第1.0版)に準拠した国税庁ホームページの利用条件による(2026年10月20日確認))
画面のイメージは検討中の内容を含むため、今後変わる可能性があるとしています。
まとめて出せる届出と、それぞれの期限
まとめて出せるのは、次の5つです。期限は届出ごとに違い、まとめて出せるようになっても、それぞれの期限は変わりません(国税庁のタックスアンサー、令和8年4月1日現在の法令)。
| 届出 |
何のための手続か |
期限 |
| 開業の届出(個人事業の開廃業等届出書) |
新たに事業を始めたときの手続 |
事業を始めた日が属する年分の確定申告の期限まで |
| 青色申告承認申請 |
青色申告の承認を受けるための手続 |
原則、青色申告をしようとする年の3月15日まで。1月16日以後に開業したときは、開業の日から2か月以内 |
| 青色事業専従者給与に関する届出(変更届出) |
家族の従業員への給与を必要経費にするための手続 |
原則、その年の3月15日まで。1月16日以後に開業したときなどは、その日から2か月以内 |
| 給与支払事務所等の開設の届出 |
給与を払う事務所などを開いたときの手続 |
開設の日から1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認申請 |
給与を払う人が常時10人未満のとき、源泉所得税の納付を年2回にまとめるための手続 |
随時(原則、出した日の翌月に払う給与などから適用) |
暮らしと仕事への影響 開業の手続が軽くなる
これから個人で開業する人や、副業を事業として届け出る人は、同じ名前や住所を何度も入力する手間が減りそうです。家族に給与を払う、従業員を雇うといった場合も、関係する届出を一度に出せます。
一方で、使えるようになるのは2027年1月の予定で、それまでは今の方法で届出を出します。また、届出の中身(青色申告にするか、納期の特例を使うか)を決めるのは、これまでどおり自分です。まとめて出せるからといって、要らない届出まで出す必要はありません。
今日からできること
- 開業の時期と期限を確かめる。2026年のうちに開業するなら、今の方法で届出を出します。青色申告にしたいなら、1月16日以後の開業では開業の日から2か月以内という期限に気をつけます。
- e-Taxの準備をしておく。マイナンバーカードと、読み取りに対応したスマートフォンかICカードリーダーを用意しておくと、2027年1月以降、すぐに使えます。
- 税務署以外の届出も確かめる。国税庁は、都道府県の税事務所、年金事務所、労働基準監督署などにも届出が必要になる場合があるとしています。
大阪・関西では 税務署へ行かずに開業の手続
大阪・関西でこれから店や事務所を開く人も、届出の出し先は、住所地などを管轄する税務署です。e-Taxなら、窓口に行かずに出せます。個人事業税などは、大阪府なら府税事務所など、府県の税の窓口への届出が別に要る場合があるため、府県のホームページで確かめておくと安心です。