警察庁は2026年10月13日、ベトナムとの国際共同捜査について発表しました。銀行員をかたって日本の法人を狙った「ボイスフィッシング(詐欺電話)」のグループをめぐり、ベトナム国内で被疑者7人が検挙されたとしています。
日本の警察は、国内で起きた銀行をかたるボイスフィッシング事件の被疑者を逮捕しました。警察庁によると、捜査の過程で得られた情報からベトナム人のマネーロンダリング(資金洗浄)グループを特定し、ベトナムとの国際共同捜査に発展させ、ベトナム側へ情報提供を行ったとしています。その結果、ベトナム国内でグループの被疑者7人が検挙されました。
警察庁が公表した発表ページ。ベトナムとの国際共同捜査で被疑者7人が検挙されたと説明している出典: 警察庁(引用)
銀行員をかたって会社に電話
手口は、銀行員になりすまして企業に電話をかけ、口座の確認や操作を装って法人の口座から送金させるものとされます。警察庁は、このグループが資金洗浄にも関わっていたとしています。ベトナム側の発表として報じられているところでは、だまし取ったお金を銀行口座の「闇市場」や暗号資産を使って動かす、国境をまたいだ資金洗浄のルートが指摘されています。
家庭で受ける還付金詐欺などと違い、今回は会社の口座とお金が狙われている点が特徴です。経理や財務を担当する人が電話の相手になりやすく、ふだんから銀行とやり取りがある会社ほど、だまされやすい場面が生まれます。
被害の規模(ベトナム側の公表)
ベトナム公安省の発表として報じられている内容では、2025年3月10日に日本人15人がだまされ、3つの法人口座へあわせて約7億700万円(約1170億ドン)が振り込まされたとされます。グループは2025年の初めごろから日本国内で犯行を重ねていたとも伝えられています。
これらの金額や人数は、ベトナム側の発表をもとにした報道による数字です。警察庁の発表資料には、被害額や国内での逮捕人数は示されていません。
国境をまたぐ捜査の「第一段階」
今回の検挙について、ベトナム側は全容の解明に向けた第一段階だとしています。詐欺のお金は、国内の口座から海外へ、さらに暗号資産へと移されることが多く、いったん送られると取り返すのが難しくなります。国をまたいで警察が情報を共有し、拠点の側にいる容疑者を検挙する動きは、こうした被害を抑えることにつながると考えられます。
大阪・関西の会社で今日からできること
関西には、家族や少人数で営む会社や個人事業が数多くあります。銀行員をかたる電話は、こうした小さな会社にもかかってくる可能性があります。次のような備えが役に立ちます。
- 電話で送金やネットバンキングの操作を指示されたら、いったん電話を切る。そのうえで、通帳やカードに記載された銀行の正規の窓口に、自分からかけ直して確かめる。
- 振り込みや送金の手続きは、一人で判断せず、二人以上で確認する流れを決めておく。
- 普段と違う振込先や、急がせる言い方には注意する。「今すぐ」「今日中に」とせかすのは、詐欺によくある特徴です。
- 不審な電話を受けたら、最寄りの警察や警察相談専用電話「#9110」に相談する。
会社のお金は、いったん送ってしまうと取り戻すのが難しくなります。送金の前に一呼吸おいて確かめる習慣が、いちばんの防ぎ方になります。