パナソニック は2026年10月6日、住宅用の次世代防犯 ソリューションに向けて、Google と協業契約に合意したと発表しました。テレビドアホンや見守り カメラに、Google HomeのAIとクラウドを組み合わせます。発売の時期や価格は書かれていないため、背景と今の製品から、暮らしへの影響を整理します。
なぜ今、住宅の防犯なのか 公式の背景と警察庁の統計
発表は背景に、一般住宅への侵入犯罪が巧妙になり、凶悪になっていることを挙げています。共働きや高齢者の世帯、単身や二人暮らしの世帯が増えていることも理由です。一方で、何から始めてよいかわからない、通知や映像の確認がわずらわしい、という声もあるとしています。
警察庁によると、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は、令和7年(2025年)に1万7,152件でした。平成16年からおおむね減る傾向でしたが、前年より7.2%増えています。
警察庁が公開している侵入窃盗の認知件数の推移。赤い棒は住宅対象の件数 出典: 警察庁「住まいる防犯110番 データで見る侵入犯罪の脅威」 (警察庁ウェブサイトの利用規約(公共データ利用規約 第1.0版)。出典: 警察庁ウェブサイト。加工なし)
住宅を対象とした侵入強盗も146件で、前年より13.2%増えました。パナソニックは2025年9月、日ごろ防犯を意識している20代から60代の4,700人に調査をしています。自宅の防犯対策が行き届いていないと感じる人は76.3%でした。
パナソニックのドアホンは、機器の中のAIまで来ていた
2026年1月、今のパナソニックにあたるパナソニック エンターテインメント&コミュニケーションは、新しい技術を発表しました。テレビドアホンの玄関子機に載せる、AIの人検知と顔認証です。利点に挙げたのは、処理を機器の中で終えることでした。
そして、クラウド上などインターネット空間ではなく、テレビドアホン内で検知・認証などの処理を完結することで、処理スピードの向上を図りながら、個人情報への配慮にも適しているなど、身近で実用的なAI防犯機能として普及が期待できます。
出典: Panasonic Newsroom Japan(2026年1月14日)
2月に発表した「外でもドアホン」VL-X70シリーズ(2026年6月中旬に発売予定と発表)は、この機能を載せた製品です。顔を30件まで登録でき、決めた範囲に人が約30秒とどまると検知して録画します。オープン価格で工事費は別、録画にはmicroSDカード(別売)が要ります。
屋内用のHDペットカメラなどは、すでにGoogle アシスタントと連携し、スマートディスプレイに映像を映せます。
Google Homeの今 Geminiのカメラ機能は日本も対象
Google Homeは、Googleが提供するスマートホーム のサービスです。Googleは2025年8月、Google アシスタントに代わる「Gemini for Home」を発表しました。Googleのヘルプは、カメラ機能に次の4つを挙げています。
AIによる説明: 録画された出来事を文章で説明する
AIによる通知: 説明の短い版が通知で届く
一日の要約: その日に家で起きたことをまとめる
動画履歴の検索: 言葉で録画を探す
対象の国には日本が入っています。使えるのはGoogle Home PremiumのAdvancedプランの利用者で、順次の提供です。対象の機器は、2021年以降に出たGoogle Nestのカメラなどに限られます。
日本のGoogle ストアでの料金は、Advancedが月額2,000円、Standardが月額1,000円です(2026年10月6日確認)。
Google ストア(日本)にあるGoogle Home Premiumの2つのプランと料金 出典: Google ストア「Google Home Premium」 (引用)
協業の中身 4つのテーマと、書かれていないこと
発表の速報は、パナソニックがGoogleと協業合意、住宅防犯の異変検知をAIで支援へ にまとめています。ここでは中身をもう一歩くわしく見ます。
パナソニックは、ドアホンや見守りカメラなどの機器に、Google HomeのサービスとAIを統合するとしています。連携の中心は次の4つです。
テーマ
内容
異常検知の高度化
AIの映像解析で、不審な行動や異常を高い精度で検知する
利用者ごとの最適化
家族構成や生活スタイルに応じて、通知や提案を出す
操作負担の低減
クラウド連携で、シンプルで直感的に使えるようにする
継続的な進化
ソフトウェアの更新とクラウドAIの進化で、長く価値を届ける
発表の図は、ドアホンの録画をクラウドのAIが解析し、要約をスマートフォンに届ける流れです。英語版の発表は、Googleの強みを生成AIとクラウドサービスだと書いています。
パナソニックが示す「操作負担の低減」の図。クラウドのAIが録画を要約して通知する 出典: パナソニック「住宅用次世代防犯ソリューションの実現に向けてGoogle Homeと協業」 (報道用の素材)
発売の時期、価格、対象の機種、今ある機種が対応するか、月額の料金、映像の保存先と保存の期間、提供する国や地域は、発表に書かれていません(2026年10月6日時点)。Google Japan Blogの新着にも、協業の記事は見当たりません。
暮らしと仕事への影響
今ある家に後から付けられるか は、対象の機種が出るまで分かりません。パナソニックの取り替えガイドは、取り替えの目安を「10年」(インターホン工業会)と紹介しています。配線がない家やアパート・マンションには、無線式を勧めています。
費用も書かれていません。今の製品では、VL-X70シリーズは本体と工事費がかかります。Google Nestのカメラは、本体(日本のGoogle ストアで15,800円から)と月額のプランです。
映像の扱いは、いちばん確かめたい点です。VL-X70シリーズは、AIの処理を機器の中で行い、録画をmicroSDカードに残します。クラウドで解析するなら、何がどこに、どれだけの期間残るかが変わります。
Googleは今のGoogle Nestのカメラについて、こう説明しています。録画を有効にすると、映像と音声をGoogleが取り込んで処理し、プランに応じた期間保存します。協業のサービスが同じ扱いになるかは、書かれていません。
高齢の家族の見守りでは、発表は高齢者世帯の増加と、不在時の見守りの需要を背景に挙げています。VL-X70シリーズは、1台のスマートフォンに親機を2台まで登録でき、離れて暮らす家族の状況確認にも使えるとしています。介護施設向けの技術は、パナソニックの介護AI「予兆ソリューション」はなぜ今? 現場と家族への影響 で取り上げています。
パナソニックはVL-X70シリーズの発表で、機能は犯罪を阻止することや安全を保証するものではないと注記しています。
大阪・関西では、門真に本店を置く会社と府内の侵入盗の数字
2026年4月1日に発足した今のパナソニック株式会社は、本店を大阪府門真市大字門真1006番地に置いています。本社の所在地は東京都品川区西五反田です。関西での実証や販売の予定は、発表に書かれていません。
大阪府警察の統計では、府内の侵入盗の認知件数は令和6年の1,497件から、令和7年は1,728件に増えました。うち住宅対象は579件から625件です。
使い方の例として、戸建てなら玄関と駐車場の見張りが考えられます。道に面した長屋なら、通行人で通知が増えすぎないよう、検知の範囲を絞る使い方です。マンションには、パナソニックは無線式のドアホンを勧めていますが、協業の対象に入るかはまだ分かりません。
発表を待つ間に、今のドアホンが何年目かと、録画がどこに残るかを確かめておけます。
値段と保存先が出るまでは、あわてんと待っとこ。