フリマアプリ「メルカリ」の出品商品のコメント欄に、メルカリ事務局を装ったアカウントが現れています。メルカリは10月19日、こうしたアカウントが「アカウントが制限されている」などと書き込み、外部の偽サイトへ誘導する事例が確認されているとして、注意を呼びかけました。事務局がコメント欄で個人情報やログイン情報の入力を求めることはないとしています。
メルカリの注意喚起「メルカリ事務局を装ったアカウントによる、商品コメント欄等でのフィッシング」出典: 株式会社メルカリ(引用)
何が起きている? 事務局を名乗り「制限解除」で誘う
メルカリの案内によると、事務局や公式アカウントを思わせる名前とプロフィール画像を設定したアカウントが、出品商品のコメント欄に不安をあおるコメントを投稿し、外部サイトへの誘導を試みています。実際に確認されたコメントの例として、次の文面を挙げています。
アカウントでの不審な活動が確認されるまで、出品物件へのアクセスは制限されています。制限を解除するには、以下のページにアクセスしてください。
メルカリは、フィッシングを目的としたコメントの特徴として、次の4つを挙げています。
- 公式のロゴやサービスの画像をプロフィール画像に使い、公式アカウントを装っている
- 「制限されています」「確認が必要です」など、アカウントの利用制限をほのめかして焦らせる
- 外部サイトのURLが書かれている、またはURLへのアクセスを促す文面になっている
- 「出品物件」など、日本語の言い回しが不自然
メルカリは、該当するアカウントの利用制限、コメントの削除、同じ手口を試みているアカウントの利用制限、誘導先の外部サイトの閉鎖依頼を進めているとしています。
なぜコメント欄が使われる?
出品者は、自分の商品のコメント欄に届いた書き込みを、購入を考えている人からの質問だと思って読みます。そこに事務局を名乗る「制限」の知らせが来ると、売り上げや取引が止まるのではと焦り、確かめないままURLを押してしまいがちです。メルカリの広報はアイティメディアの取材に、コメント欄を悪用した同じようなフィッシングの誘導は過去にも確認していると答えています。
メルカリは、コメント欄を使って利用者にお知らせや通知をすることはないとしています。事務局からの連絡は、公式アプリや公式サイトの「お知らせ」など、公式の手段で届きます。
暮らしへの影響
偽サイトにログイン情報を入れると、アカウントを乗っ取られ、売上金やメルペイの残高を使われたり、勝手に出品や購入をされたりするおそれがあります。クレジットカードの情報を入れれば、別の場所で使われる心配もあります。フリマアプリで日用品や子どもの服を売り買いしている家庭ほど、ふだんからコメント欄を見る機会が多く、狙われやすいと考えておく必要があります。
今日からできること
メルカリが呼びかけている対策は次のとおりです。
- コメントや取引メッセージのURLは開かない: メルカリには、公式アプリか、ブックマークした公式サイトから入ります。
- 事務局からの連絡は「お知らせ」で確かめる: 事務局がコメント欄で、個人情報、ログイン情報、認証コード、クレジットカードの情報の入力を求めることはありません。
- 不審なアカウントやコメントは通報する: コメントの右上のメニューか、アカウントのプロフィール画面から通報できます。
- パスキーを設定する: 端末の指紋や顔の認証でログインする仕組みで、偽サイトでは使えないため、乗っ取りを防げます。アプリはマイページの「設定」「アカウント設定」「パスキー設定」、ウェブ版はマイページの「個人情報設定」「パスキー設定」から登録できます。
URLを開いて情報を入力してしまったときは、すぐにメルカリのパスワードを変えてパスキーを設定し、同じパスワードを使っているほかのサービスも変えます。カードの情報を入れたらカード会社に連絡して利用を止め、覚えのないアプリを入れていたら削除します。そのうえで、アプリ内の「お問い合わせ」(マイページのヘルプセンター)から事務局に連絡します。
偽メールや偽サイトをめぐる警察の動きは、日本を狙う偽メールの道具を差し押さえ 警察庁とマイクロソフト、和歌山県警も注意にまとめています。
関西の暮らしと仕事での使いどころ
関西の利用者への影響は、発表に書かれていません。ここでは、関西で暮らす人の使い方の例として整理します。
たとえば、大阪で子どもの服やおもちゃをメルカリで売っている家庭なら、出品のコメント欄に「事務局」からの書き込みが来ても、まずアプリの「お知らせ」を開いて、同じ内容が届いているかを確かめます。届いていなければ偽物なので、コメントを通報します。
離れて暮らす親がメルカリを使い始めたばかりなら、一緒にパスキーを設定しておくと、偽サイトに誘われても乗っ取られにくくなります。
コメント欄の「事務局」は、まず疑ってかかってな。