KDDIは2026年10月21日、SMSで認証コードを送らずに、携帯電話の回線の情報で電話番号を確かめる仕組み「Number Verification v2」(NVv2)の商用の提供を始めました。Googleのアプリ開発者向けの基盤「Firebase」を通じて、アプリやサービスを作る会社が使えるようにします。コードをだまし取るフィッシングへの対策になるとしています。
何が始まった? コードを送らず、回線の情報で番号を確かめる
いま多くのアプリやサービスは、登録やログインのときに電話番号を確かめるため、SMSで数けたの認証コードを送り、利用者に打ち込んでもらっています。
KDDIの発表によると、NVv2は、SMSのコードを使わず、電話番号と回線の契約の情報で確認します。1ステップで確認が終わるので、ログインにかかる時間や手間を減らせるとしています。
- 提供の開始: 2026年10月21日
- 使う人: アプリやサービスを作る会社(Firebaseの「Firebase Phone Number Verification」の一部として提供)
- 仕様: 携帯会社の国際的な取り組み「GSMA Open Gateway」と「Linux Foundation CAMARAプロジェクト」の標準の仕様に沿ったもの
利用者から見ると 同意のボタン1つで終わる
KDDIが示した、従来のSMS認証と電話番号認証(NVv2)の手順の違い出典: KDDI株式会社(報道用の素材)
KDDIの図では、SMS認証は「電話番号の入力」「SMSで認証コードを受け取る」「認証コードの入力」と手順が続きます。NVv2を使うと、スマホの画面で同意するだけで確認が終わります。
Firebaseの説明書によると、アプリは、端末と携帯会社が対応しているかを確かめ、電話番号をアプリと共有することへの利用者の同意を得てから、携帯会社からSIMの電話番号を受け取ります。同意してから、ふつうは1〜3秒で終わるとしています。対応していない端末や携帯会社では、SMSなど別の方法に切り替えるよう案内しています。
なぜ今? コードをだまし取るフィッシングへの対策
KDDIは、生成AIの悪用で、認証コードを巧みにだまし取るフィッシングや、不正なアカウントの登録が増えているとしています。偽のサイトに誘い込み、届いたコードをその場で入力させて、本物のサービスにログインしてしまう手口(リアルタイムフィッシング)です。
NVv2は認証コードそのものを送らないので、コードを奪う攻撃への対策として有効だとしています。Firebaseの説明書も、SMSを送らないので、利用者は「アプリからコードが届く」と思わなくなり、SMSでよく悪用される不正を防げるとしています。
KDDIは、将来AIが利用者の代わりにサービスの登録や決済をする場面でも、「その操作が本人の回線・端末にもとづくものか」を確かめる手段として使えると見込んでいます。
どの回線で使える? まだ分からないこと
KDDIによると、前の版(v1)は携帯の回線につながっている必要がありましたが、v2では、Wi-FiやVPNにつないでいるときや、povo2.0、au回線を使うMVNO(格安スマホ)でも、1ステップで確認できます。
まだ分からないこともあります。
- 対応するアプリ: どのアプリやサービスが使い始めるかは、発表に書かれていない
- 端末: Firebaseの説明書の始め方の案内は、Androidのアプリ向け
- 料金: 会社が払う有料のサービスで、確認ごとに費用がかかる。ただ、10月22日に更新されたFirebaseの料金と対応する携帯会社の一覧には、日本はまだ載っていない
今日からできること
- 利用者は申し込まなくてよい: 会社がアプリに組み込む仕組みです。対応したアプリで、電話番号での確認への同意を求められたら使えます。
- 同意の画面は、自分でログインしている途中にだけ押す: 自分で操作していないのに確認を求められたら、押さずにアプリを閉じます。
- SMSの認証コードは、これからも人に教えない: 多くのサービスではSMSのコードが残ります。電話やメッセージで「届いた番号を教えて」と言われても、教えません。
- auのSMSの送信元を覚えておく: KDDIは、au PAY(auかんたん決済)は10月6日から、au IDなどは10月14日から、2段階認証のSMSの送信元を「00055000」に変えました。0005から始まる番号は、携帯会社が認めた会社だけが使えるとしています。
SMSの詐欺への対策は、Googleメッセージの詐欺対策が強化 日本語SMSは対象かにもまとめています。
関西の暮らしと仕事での使いどころ
関西の会社がNVv2を使うかどうかは、発表に書かれていません。ここでは使い方の例として整理します。
たとえば、大阪や京都で予約アプリや会員アプリを持つ店なら、SMSを送る費用や、コードが届かないという問い合わせの手間と比べて、こうした仕組みを使うかを、アプリを作った業者に相談する方法があります。
家族のスマホを見守る立場の人は、「アプリから届いたコードを教えて」という電話やメッセージは詐欺だと、一度話しておくと安心です。
コードを聞いてくる電話は、まず詐欺やと思っとき。