11月5日の朝10時ごろ、緊急地震速報の全国の訓練があります。訓練の速報は、テレビやラジオ(一部のコミュニティFMを除く)、スマホの緊急速報メールには流れません。気象庁によると、流れることがあるのは、登録した自治体の防災メールや、使っている防災アプリのほうです。
その自治体の知らせが、関西でいま2か所止まっています。兵庫県の「ひょうご防災ネット」はメールの配信が10月31日から止まったまま。滋賀県も10月24日、防災ポータルの公開を止めていると知らせました。
府県の防災アプリは、2府4県でつくりがかなり違います。離れて住む親の地域の警報を受け取れるかどうかも、アプリしだいです。
2府4県の防災アプリを比べる
2026年11月3日時点の各府県の案内と、アプリストアの説明で比べると、次のようになります。
| 府県 |
府県の防災アプリ |
通知が届く地域 |
外国語・読み上げ |
目立つ機能 |
| 大阪 |
大阪防災アプリ(府と大阪市) |
今いる場所と、選んだ市町村 |
英語、中国語、韓国語、やさしい日本語。読み上げあり |
避難所の開設と混み具合 |
| 兵庫 |
ひょうご防災ネット |
登録した3つまでの市・町と、今いる場所 |
12の言語に自動で翻訳。読み上げあり |
「マイ避難カード」で決めた逃げ時に通知 |
| 京都 |
府のアプリではなく、メールの「京都府防災・防犯情報メール」 |
メールの登録で選んだ情報 |
― |
― |
| 滋賀 |
滋賀県防災アプリ |
地域の決め方は説明に無い。県の外でも使える |
英語、中国語、韓国語、スペイン語、ベトナム語、ポルトガル語 |
地図はネットにつながらなくても表示。シニア向けやジュニア向けの表示 |
| 奈良 |
奈良県防災アプリ |
通知の機能は説明に無い |
説明に記載なし |
防災の手引きと、カメラの映像で近くの避難場所を探す機能 |
| 和歌山 |
和歌山県防災ナビ |
登録しなくても今いる場所 |
説明に記載なし |
家族の居場所の確認と、津波の到達時間を重ねた避難の練習 |
大阪府は、iPhoneでは今いる場所にもとづく通知に制限があると案内しています。奈良県のアプリの避難場所は、2019年2月時点の国土地理院の情報です。
表を見ると、通知の届き方は3通りに分かれます。地域を登録する兵庫、今いる場所で届く和歌山、その両方の大阪です。滋賀県防災アプリは、避難情報や気象の注意報・警報をプッシュ通知で届けますが、どの地域の通知が届くかは説明に書かれていません。和歌山県防災ナビは、和歌山市から海南市へ移るなど、市町村をまたいでも、その場所で出ている避難情報が届きます。
京都府と奈良県は、府県のアプリでは通知を受け取れません。京都府は「京都府防災・防犯情報メール」で知らせを届けます。国土交通省の近畿の防災アプリの一覧でも、京都府はアプリではなく、情報のポータルサイト「きょうと危機管理WEB」として載っています。奈良県は、県の災害リスク情報システムのメールで、あらかじめ登録した市町村の土砂災害警戒情報や気象情報を送ります。
市町村が独自に出すアプリもあります。国土交通省の一覧には、大津市防災ナビや野洲市、米原市の防災アプリが並びます。
離れて住む親の地域の警報を受け取るには
自分のスマホに、親の住む地域の通知まで届くか。ここで差が大きく出ます。
兵庫に親がいるなら、ひょうご防災ネットのアプリで市・町を3つまで登録できます。たとえば自宅の神戸市と、職場の姫路市、親の住む豊岡市の3つです。大阪防災アプリは、受け取る市町村を選んで切り替える形です。
和歌山県防災ナビは、今いる場所の通知が中心です。自分のスマホに、親の地域の通知は届きません。そのかわり和歌山県防災ナビは、家族でグループを作ると、避難した人の居場所を地図で確かめられます。親のスマホにも入れて、同じグループに入っておく使い方です。
府県をまたいで受け取るなら、LINEヤフーの「Yahoo!防災速報」が向いています。今いる場所に加えて、国内の3地点まで登録できます。大阪に住み、和歌山と奈良に親がいる人なら、3地点で足ります。滋賀県は、このアプリの「自治体からの緊急情報」でも避難の呼びかけなどを送ると案内しています。
いま止まっている2つの知らせ
ひょうご防災ネットのメールは、アララの不正アクセスで10月28日の夕方に止まり、30日に再開、31日にまた止まりました。サポートセンターによると、再開の時期は決まっていません。アプリとウェブサイトは通常どおり使えるとしていて、メールの利用者にアプリを勧めています。経緯はアララ不正アクセスで止まる関西のメールでご覧いただけます。
滋賀県は、県の防災情報システムの一部にPHPが使われていたため、システムの運用を止めました。PHPで重大な脆弱性が見つかったことへの対応で、県民向けの防災ポータルも見られません。10月28日の第6報でも、止まっている7件のシステムに入っていました。防災行政無線とJアラートには影響が無く、県は市町のホームページやテレビ、ラジオで最新の情報を確かめるよう呼びかけています。防災アプリへの影響について、県の案内は触れていません。
どちらも、ほかの受け取り方は残っていました。府県の仕組みが1つ止まっても困らないよう、受け取る道を2つ持っておくと安心です。その考え方は、ドコモの緊急地震速報が届かなかった件でも取り上げました。
11月5日の訓練までにできること
11月5日が「津波防災の日」なのは、1854年の安政南海地震にちなみます。いまの和歌山県で、稲に火を付けて暗闇の中の村人を高台へ導いた「稲むらの火」の話です。その日に向けて、次の順で整えておけます。
- 住んでいる府県のアプリを入れ、通知と位置情報を許可する。京都と奈良は、府県のメールか市町村のアプリを登録する。
- 親の住む地域を登録する。兵庫のアプリなら3つの市・町、Yahoo!防災速報なら3地点まで。
- 11月5日の10時ごろ、アプリやメールに訓練の速報が届くかを見る。届くかどうかは、自治体やアプリによって違う。
- 和歌山に家族がいるなら、防災ナビの避難トレーニングで、家から避難場所まで歩いた時間を記録しておく。
訓練の日にスマホが静かでも、壊れたわけではありません。緊急速報メールには、訓練の速報は流れないからです。
11月5日の10時、アプリに訓練の知らせが来るか、家族で一回見てみよな。