首都圏の鉄道7社は2026年10月13日、2027年3月から、磁気乗車券をQR乗車券に移行すると発表しました。改札では、きっぷを入れる方式から、きっぷの二次元コードをかざす方式に変わります。7社の中に、関西の会社はありません。
この記事では、まず首都圏の発表を整理します。そのあとで、関西の各社の公式発表から、関西の磁気きっぷの現状を確かめます。
首都圏の7社は何を発表したのか
発表したのは、JR東日本、京成電鉄、京浜急行電鉄、仙台空港鉄道、東京モノレール、東武鉄道、北総鉄道の7社です。対象は、7社の全路線・全駅です。ここでは、東武鉄道が同じ日に出した発表資料で確かめました。
| 項目 |
内容 |
| 発表日 |
2026年10月13日 |
| 始まる時期 |
2027年3月から(順次) |
| 変わるもの |
駅の自動券売機で発売している磁気乗車券 |
| 理由 |
持続可能な乗車券システムの構築のため |
東武鉄道の発表で、QR乗車券に置き換わる磁気乗車券は、次の4種類です。
企画乗車券は、ICカードの企画乗車券などの一部を除き、スマートフォン等で使うデジタル企画乗車券に移ります。移る券種は、自動券売機等での発売を終了します。詳細は改めて案内するとしています。株主優待乗車証は、これまでどおり発行を続けます。
2024年5月の最初の発表には、首都圏の鉄道8社が参加していました。CNET Japanによると、時期は「2026年度末以降」でした。2025年4月に新京成電鉄が京成電鉄と合併し、西武鉄道が今回の対象から外れ、仙台空港鉄道が加わって7社になっています。
改札の通り方はどう変わるのか
東武鉄道の発表資料によると、通り方は次のとおりです。
- 自動券売機でQR乗車券を買う
- 入場するとき、自動改札機の読み取り機(QRリーダ)に、きっぷの二次元コードをかざす
- 出場するときも、同じように二次元コードをかざす
- 使い終わったきっぷを、改札機に付いた乗車券回収箱に入れる
いまは、改札機の投入口にきっぷを入れます。これからは、入れずにかざします。出場後に、回収箱へ入れる動作が加わります。
東武鉄道の発表資料。QR乗車券と、かざす改札機・回収箱のイメージ出典: 東武鉄道「磁気乗車券をQR乗車券に移行します!」(2026年10月13日)(引用)
自動券売機で買うQR乗車券は、すべて大型券サイズです。大きさの数値は、東武鉄道の発表資料にはありません。CNET Japanは、57.5×85mmで、いまの磁気乗車券(30×57.5mm)より大きいと伝えています。同じ記事によると、JR東日本は6月の発表で、QRコードをかざしやすくするために大型にすると説明していました。
スマートフォンで買うデジタル企画乗車券も、QR乗車券に対応します。
ICカードは今までどおり使えるのか
東武鉄道の発表は、乗車券について、シームレスに使えるSuica・PASMOの交通系ICカードを主体とし、引き続きサービス向上を続けるとしています。磁気きっぷからQR乗車券への移行は、持続可能な鉄道運行サービスの提供のためと書かれています。
この発表に書かれているのは、きっぷの方式の変更です。ICカードの使い方を変えるとは書かれていません。
ICOCAについては、今回の発表に書かれていません。関西のICOCAを首都圏で使う予定のある人は、乗る会社の案内で確かめてください。
大阪・関西では、磁気きっぷはどうなっているのか
関西の鉄道各社から、首都圏の7社のような「磁気きっぷをQRに一斉に移行する」という発表は、確認できませんでした。JR西日本、Osaka Metro、京阪、阪急、近鉄、南海、阪神の公式の発表を調べました。会社ごとに、取り組みが分かれています。以下は、確認できた公式の発表です。
JR西日本
JR西日本は2025年1月8日の発表で、QRチケットサービスを2025年1月19日乗車分から始めるとしました。「KANSAI MaaS」などで買ったQRコードを、自動改札機で使うサービスです。
同じ発表に、次の方針が書かれています。
- 券売機で発売している磁気近距離きっぷは、2028年以降、順次QR乗車券への移行を進め、磁気券の削減を図る
- 磁気きっぷの削減に伴い、IC利用率が高いコーナーは、IC専用改札化をさらに進める
首都圏の7社は2027年3月からです。JR西日本は、2028年以降の方針を2025年1月に示しています。その後の変更は、確認した範囲では見つかりませんでした。
京阪電車
京阪ホールディングスの2024年11月8日の発表には、「京阪線におけるQR乗車券対応自動改札機の普及および2029年度までの磁気式乗車券廃止を見すえ」と書かれています。株主優待の変更に関する発表の中の記述です。
京阪電気鉄道の2026年1月16日の発表は、環境負荷の高い磁気乗車券をチケットレスにすることで、グループの取り組みを進めているとしています。
阪急電車
阪急電鉄は2026年3月25日、「京都・嵐山1dayパス【阪急版】」など企画乗車券3券種の磁気券での発売を、2025年度で終えると発表しました。2026年度からは、デジタル企画乗車券のみです。理由は、磁気カードの製造を安定して続けることが難しくなっているためと説明しています。
Osaka Metro
Osaka Metroは2024年5月30日の発表で、QRコード対応の改札機を全駅・全改札口に設置し終えたとしています。2024年6月17日から、QRコードで地下鉄・バスに乗れるデジタル乗車券サービスを始めました。
この発表で確かめられたのは、QRコードに対応した改札機があることと、デジタル乗車券の開始です。普通の磁気きっぷをなくす計画は、この発表には書かれていません。
近鉄・南海・阪神
近鉄グループホールディングス、南海電気鉄道、阪神電気鉄道は、2025年1月8日の関西MaaS協議会の発表に、JR西日本、Osaka Metro、京阪、阪急とともに載っています。「KANSAI MaaS」で買ったQRコードを、各社のQRコード対応の改札機で使えるデジタル乗車券サービスです。磁気きっぷの廃止時期は、確認した発表には書かれていません。
公表されたこと、されていないこと
首都圏の7社の発表で分かったのは、時期(2027年3月から)、対象(7社の全路線・全駅)、置き換える券種、改札の通り方です。
東武鉄道の発表資料からは分からないことがあります。具体的な運賃や、駅ごとの切り替えの日、QR乗車券に対応していない改札機の扱いは、書かれていません。サービスの詳細は、決まり次第、各社が案内するとしています。
関西については、会社ごとの公式の発表だけを書きました。近鉄・南海・阪神の磁気きっぷの今後は、確認できていません。関西の各社が今後どうするかを、ここで予想することはしません。
今日からできること
首都圏への出張や旅行の予定がある人は、次のことを覚えておくと安心です。
- 2027年3月以降、7社の駅で自動券売機のきっぷを買うときは、きっぷをかざす
- 出るときは、改札機の回収箱にきっぷを入れる
- 交通系ICカードは、東武鉄道の発表では引き続き主体。ICOCAを使えるかは、乗る会社の案内で確かめる
- 企画乗車券をよく使う人は、デジタル企画乗車券に移る券種があるので、各社の案内を待つ
関西でふだんきっぷを買う人は、次の点を見ておくとよいです。
- JR西日本の磁気近距離きっぷは、2028年以降に順次QR乗車券へ移る方針
- 京阪線は、2029年度までの磁気式乗車券の廃止を見すえている
- 阪急の一部の企画乗車券は、2026年度からデジタルのみ
首都圏の話は2027年3月からやけど、関西のきっぷも会社ごとに動いとるで。乗る会社の案内は、見とき。