「子どものLINEで、オープンチャットだけ使えなくできないか」。そう考える保護者は少なくありませんが、今のところ、オプチャだけを止める保護者向けの設定はありません。LINEヤフーは、導入を検討しつつ、年齢による検索の制限やすべてのトークルームの監視で子どもを守るとしています。よく聞く思い込みを、公式の案内で一つずつ確かめます。
思い込み1「親の設定で、オプチャだけ止められる」
LINEヤフーは、オープンチャットの公式サイトに「青少年保護への取り組み」(2025年6月)を載せています。それによると、ペアレンタルコントロールを入れるかどうかは検討を続けている段階で、親子関係をどう証明するかなどの課題を洗い出しているところです。今は、すべてのオープンチャットを監視の対象にすることが安全につながると考えている、と説明しています。
オープンチャットの「青少年保護への取り組み」のペアレンタルコントロールの節(2025年6月)出典: LINEヤフー株式会社(引用)
同じページでは、2025年6月の時点の方法として、OSなどのURLのアクセス禁止の設定に「square-api.line.me」を入れると、オープンチャットへの新しい参加を制限できると案内しています。ただし、今後の仕様やURLの文字列の変更で、制限が効かなくなる可能性があるとも書いています。
思い込み2「オプチャで知り合っても、連絡先までは分からない」
オープンチャットはトークルームごとに別のニックネームで参加でき、LINEヤフーの担当者はINTERNET Watchの取材に、アプリの中ではLINEの1対1のトークに移れない仕様だと説明しました。それでも、外へ誘い出そうとする投稿はあります。
オープンチャットの公式の「未成年の安心・安全なサービス利用に関するお知らせ」(2026年7月24日更新)は、次のような投稿を、利用停止やアカウントの削除の対象として挙げています。
オープンチャットの「未成年の安心・安全なサービス利用に関するお知らせ」の禁止事項(2026年7月24日更新)出典: LINEヤフー株式会社(引用)
- LINE ID、QRコード、ほかのSNSのDMなどで、連絡先の交換を持ちかける投稿
- 連絡先の交換を受け入れる自己紹介やメッセージ
- 出会いやわいせつな行為が目的の、1対1のオープンチャットの開設や誘い出し
送信を取り消したり投稿を消したりしても、過去にさかのぼって確認するので、利用停止の対象になるとしています。間違えて連絡先を書いてしまった場合でも、利用停止になる場合があります。「偽カップル」「バーチャル恋愛」のような疑似恋愛をテーマにしたトークルームでも、顔写真を載せたり連絡先を交換したりして、実質的に交際相手を探しているとみなされれば、削除や利用停止の対象です。顔写真をプロフィールの画像にしたり、住まいをノートに書いたりすることも、ガイドラインの違反にあたります。
思い込み3「年齢は自己申告だから、子どもでも大人のふりができる」
担当者は取材に、LINEの年齢確認は自己申告ではなく、携帯電話会社の利用者の情報と連携して大人か子どもかを判定していると説明しました。確認が済んでいない人は子どもと同じ扱いになり、ID検索や電話番号検索は使えません。保護者が外せる設定ではない、としています。
オープンチャットの公式の案内でいう未成年は、「LINE年齢未認証」の利用者のことです。違反と判断したトークルームは、検索結果に出さない、未成年の検索では出ないようにする、といった制限をかけ、年齢制限のある話題(公営ギャンブル、酒、たばこなど)は、オープンチャットのメイン画面に出さないとしています。
思い込み4「監視が追いついていない」
公式の案内によると、公開か非公開かを問わず、すべてのトークルームを24時間365日見ています。通報された内容と、新しく作られたり名前などが変わったりしたトークルームは、人の目で確認します。投稿の時点で自動で消える禁止語や、わいせつな画像を自動で削除するAIの画像フィルターもあります。児童ポルノや、未成年に性的な危害を加える目的の利用者は、無期限の利用停止になります。
LINEヤフーの「メディア透明性レポート」(2025年度版)によると、日本の電話番号で登録したアカウントによるオープンチャットの2025年度の投稿は58億5854万9402件で、そのうち928万3047件を削除しました。投稿に占める削除の割合は0.16%です。新しく作られたり名前などが変わったりしたトークルームは、一定の時間、オープンチャットのメイン画面や検索エンジンの検索結果に出ないようにしています。
ただ、監視による削除は基本的に起きたあとの対応だと、LINEヤフー自身も書いています。仕組みだけに任せきりにはできません。
思い込み5「通報したら、仕返しや罰がある」
お知らせのよくある質問では、正しく通報した人にペナルティが科されることはないとしています。通報を悪用した嫌がらせは、逆に利用停止の対象です。誘いに応じたあとで脅された場合は、脅迫は犯罪行為だとして、保護者や信頼できる人に相談し、身近にいなければ警察に相談するよう呼びかけています。重い違反は、警察に通報することがあるともしています。
保護者が今夜、子どもとやること
- 連絡先を教えない約束をする: LINE ID、QRコード、ほかのSNSのアカウントは、オプチャでは教えない。持ちかけられたら、その時点で抜けてよいと伝えます。
- 顔写真、学校、住んでいる地域を書かない: プロフィールの画像やノートにも載せないことを確かめます。
- 「会おう」と言われたら話してもらう: 怒らずに聞くと先に伝えておくと、子どもは言い出しやすくなります。
- 通報のしかたを一緒に見ておく: 正しい通報にペナルティはありません。困ったときは、保護者か信頼できる大人に相談します。
- 新しい参加を止めたい家庭は、URLの制限を考える: 「square-api.line.me」を、OSやフィルタリングの設定でアクセス禁止にする方法です。将来効かなくなる可能性があると公式も書いているので、使うなら時々確かめます。
大阪の中学生がライブのオプチャに入るなら
たとえば、大阪の中学生が、推しのアーティストの京セラドーム大阪での公演を語るオプチャに入るとします。担当者は取材に、未成年のオフ会は一律に禁止ではなく、目的がはっきりしない集まりは認めない方向で基準を決めていると話しています。「会場で会おう」「グッズを交換しよう」と個別に誘われたときに、どこで線を引くかを、公演の前に家で決めておくと迷わずに済みます。
オプチャを全部取り上げるより、楽しみ方の約束を一緒に決めるほうが、子どもは困ったときに話しやすくなります。
連絡先は教えへん。それだけは、今夜決めとき。