家の防犯カメラやドアホンを買うとき、住んでいる市から補助は出るのでしょうか。「防犯カメラ 補助金」と市の名前で検索しても、出てくるのは自治会向けの案内ばかりです。
東京都は2025年度と2026年度の2年間、家に付ける防犯機器の購入費を補助する制度を設けました。都が区市町村にお金を出し、申し込みは区市町村で受け付ける形です。理由に挙げたのは、都民の「体感治安の悪化」と防犯意識の高まりでした。では、関西ではどうなっているのか。編集部は2026年11月1日、関西の6府県と22市町村の公式ページを見て、家の防犯カメラやドアホン、補助錠、センサーライトを買うときに補助が出るかを調べました。
自宅向けの補助は、京都府と兵庫県、奈良県の小さな市町村にしか見つかりませんでした。
自宅向けの補助は5市町村、中身はばらばら
| 市町村 |
補助の額 |
対象の機器 |
申し込み |
| 京都府木津川市 |
半額、上限2万円 |
カメラ、録画できるドアホン、補助錠、センサーライトなど |
買ったあと、11月30日まで |
| 京都府京丹波町 |
半額、上限1万円 |
家庭用防犯カメラ。ドアホンは対象外 |
買う前、先着順 |
| 兵庫県朝来市 |
半額、上限1万円 |
カメラ、録画できるインターホン、補助錠など |
買ったあと、2027年1月29日まで |
| 奈良県斑鳩町 |
半額、上限3万円 |
屋外の防犯カメラ |
買う前 |
| 奈良県御杖村 |
3分の2、上限3万円 |
屋外の防犯カメラ |
取り付けから30日以内 |
上限には3倍の差があります。4万円かけてドアホンとカメラを付けた場合、木津川市なら2万円、朝来市なら1万円が補助されます。
いちばん気をつけたいのは、申し込みの順番でしょう。京丹波町と斑鳩町は、買う前に申請しないと対象になりません。斑鳩町の要綱では、業者との契約も「着手」に入ります。契約だけ先に結んでしまうと、もう補助は受けられません。木津川市と朝来市、御杖村は逆で、取り付けたあとに領収書や写真を出します。
意外なのは、カメラの向きの決まりが町によって正反対なことです。斑鳩町の条件は、写す範囲のおおむね半分以上が、道路のような大勢の通る場所であること。京丹波町はその逆で、自宅の敷地など必要な範囲だけを写すカメラが対象です。道路や周りを写すための設置は、補助の外になります。同じ「家庭用防犯カメラ」でも、斑鳩町は町の見守りの目として、京丹波町は家を守る備えとして見ているのでしょう。
ドアホンが対象になる市町村は、木津川市と朝来市の2つだけでした。
木津川市の補助の案内。録画できるドアホンや模擬防犯カメラも対象に入る出典: 木津川市(引用)
木津川市の補助には、物価が上がるなかで暮らしを支えるねらいもあります。要綱は2027年3月31日で効力を失うと定めていて、今のところ1年かぎり。対象は幅広く、模擬防犯カメラや防犯砂利、車の盗難防止装置まで入ります。2026年4月1日以降に買って取り付け終えたものなら、春に替えたドアホンも申請できます。ただ、受付は11月30日まで。残りは1か月を切りました。
御杖村は2026年4月、斑鳩町は6月に制度を始めました。小さな町村で、ようやく制度が出始めたところなのかもしれません。
大きな市は、市が街頭にカメラを置く
大阪府内の主な8市に、自宅向けの補助はありませんでした。
| 市 |
自宅向け |
市がしていること |
| 大阪市 |
なし |
子どもの見守りカメラを1,000台設置 |
| 堺市 |
なし |
公設と地域設置で約2,500台。地域が付けたカメラを市の設置に切り替え中 |
| 東大阪市 |
なし |
65歳以上がいる世帯に詐欺対策の電話機器を貸す |
| 豊中市 |
なし |
見守りカメラ1,230台を市が管理 |
| 吹田市 |
なし |
2025年4月時点で市内に899台 |
| 高槻市 |
なし |
自治会が付けるカメラに補助 |
| 枚方市 |
なし |
街頭防犯カメラ1,048台が稼働 |
| 茨木市 |
なし |
通学路などに市がカメラを設置 |
ほかの府県の主な市も、答えは同じです。
| 市 |
自宅向け |
市がしていること |
| 神戸市 |
なし |
通学路や駅の周りに約2,500台を設置 |
| 姫路市 |
なし |
自治会などが付けるカメラに補助 |
| 西宮市 |
なし |
2017〜2020年度に通学路などへ360台を設置 |
| 尼崎市 |
なし |
「個人向けの補助は現在ありません」と明記 |
| 京都市 |
なし |
東山区が2025年秋、モニター付きインターホンの無料支給を募集 |
| 奈良市 |
なし |
自治会などが付けるカメラに補助 |
| 生駒市 |
なし |
65歳以上がいる世帯の録音機能付き電話機に半額補助 |
| 大津市 |
なし |
自治会などが付けるカメラに補助 |
| 和歌山市 |
なし |
防犯のページは啓発と青色防犯パトロールの案内が中心 |
表を並べると、大きな市のお金の使い道が見えてきます。枚方市の1,048台、豊中市の1,230台、神戸市の約2,500台。家ごとに補助を出すより、道路を写すカメラを市が自分で置き、管理する方向です。堺市はさらに、自治会などが補助金で付けたカメラを、2026年度から2年かけて市の設置に切り替える途中です。
街のカメラは市が受け持ち、玄関先はそれぞれの家で守ってもらう。今の線引きは、そう読めます。尼崎市の地域団体向けの案内にも、個人は対象外とはっきり書かれていました。
尼崎市の防犯カメラ補助の案内。対象は地域団体で、個人は外れている出典: 尼崎市(引用)
府県の補助も、家までは届きません。大阪府の2026年度当初予算の補助金一覧を見ても、家の防犯機器は出てきません。滋賀県は、市町が自治会などのカメラに出す補助の一部を負担する仕組みで、案内には「個人、事業所は助成の対象ではありません」とあります。兵庫県と奈良県も、お金を受け取るのは市町村です。京都府の2026年度予算にも防犯カメラの補助はありますが、こちらは商店街などが対象でした。和歌山県は、匿名・流動型犯罪グループへの対策として、県警がネットワーク型の監視カメラを使って捜査する体制づくりに予算をつけました。
自治会を通せば、道を写すカメラの補助はある
もっとも、家の前の道を写したいなら、自治会を通す道があります。ただ、2026年度の受付は締め切った市が多くなりました。
| 市 |
補助 |
2026年度の受付 |
| 高槻市 |
半額、1台上限15万円 |
終了 |
| 京都市 |
5割以内、1台上限10万円 |
7月17日に締め切り |
| 尼崎市 |
1団体上限20万円 |
6月30日に締め切り |
| 大津市 |
半額、上限20万円 |
予算の上限に達して締め切り |
| 姫路市 |
1か所上限6万円 |
12月18日まで随時 |
| 奈良市 |
半額、1団体上限30万円 |
12月25日まで |
| 神戸市 |
更新だけ半額、上限8万円 |
2027年1月29日まで、先着125か所 |
京都市は2026年度に39団体の64台を選び、2025年度までに2,539台の設置を補助してきました。神戸市は、市のカメラを増やすのに合わせて、地域団体が新しく付けるカメラへの補助を2024年度で終えました。姫路市と奈良市は、予算がなくなった時点で受付を終えます。
65歳以上の家は、電話の録音機から
カメラの補助が無い市でも、65歳以上がいる家なら使える制度があります。電話の録音機です。
家をねらう犯罪と電話は、無関係ではありません。京都市の案内によると、電話やインターネットなどから世帯の状況や資産、職業を探られ、窃盗などの被害につながる場合があります。知らない番号に出ない、留守番電話で相手を確認する。その手間を、機械に任せるわけです。
大阪市なら、65歳以上を含む世帯は自動通話録音機を1台、無料で借りられます。枚方市は2026年度に400台を用意し、先着順で貸し出し中。東大阪市は、録音機と迷惑電話を防ぐ電話機を各100台、先着順で貸し出しています。1年の貸与期間が終われば、希望すれば機器をそのまま譲ってもらえます。
買う場合の補助もあります。吹田市は2027年3月31日の時点で65歳以上の人に、購入額の3分の2、上限1万円を出します。生駒市は半額、上限8,000円で、120件ほど。兵庫県は原則として65歳以上がいる世帯に外付けの録音装置を無料で配っており、受付は2027年1月29日までです。
領収書と写真で決まる、買う前の手順
補助がある市町村に住む人は、次の順で進めると取りこぼしを防げます。
- 住んでいる市町村の案内で、申請が購入の前か後かを確認する。
- 見積書と領収書を、申請する人の名前でもらう。京丹波町はレシートを認めていません。
- 取り付ける前の場所を写真に撮っておく。京丹波町では、取り付けたあとも同じ位置から撮ります。
- 前に住んでいた自治体で、防犯機器の補助を受けていないか確認する。木津川市では、ほかの自治体で同じ種類の補助を受けた人は対象外です。
- 自分で取り付けるなら、その手間は補助に入らないと見込む。木津川市の要綱では、自分で設置した場合の工事費に当たる額は計算に入りません。
補助が無い市に住んでいても、備えの考え方は同じです。京都市の案内は、家でできる対策として、チャイムが鳴ってもすぐに玄関を開けず、ドアフォンで相手を見ることを勧めます。補助錠やセンサーライト、カメラ付きインターホンを付けることも、その一覧に入っています。
自治体と企業が玄関のドアホンを配る例は、埼玉県越谷市のAmazonのRing、越谷市で防犯ドアホン1,000台を無償配布で取り上げました。街頭のカメラが実際にどう使われているかは、京都府警の防犯カメラ50か所、半年で1,074件使用 画像は30日で消去にあります。
補助があってもなくても、チャイムが鳴ったら画面で顔を見てから出るんは、今日からタダでできるで。