iPhoneを狙うスパイウェア(持ち主に気づかれないように、端末から情報を盗むソフト)「DarkSword」の新しい変種を、セキュリティ企業のiVerifyが2026年10月8日に公表しました。もとのDarkSwordは、古いiOSの弱点を突く攻撃です。離れて暮らす親のiPhoneが古いiOSのままになっていないか、公式の資料と手順で確かめます。確かめた日は2026年10月12日です。
iVerifyが公表した「P7 DarkSword」
iVerifyは2026年8月、顧客の端末で見つかったDarkSwordの感染を調べました。調べた結果、これまでに見たことのない変種だと分かり、「P7 DarkSword」と名づけたと書いています。
In August 2026 we investigated a DarkSword infection that turned out to be a previously unseen variant, which we call P7 DarkSword.
出典: iVerify「Sleep, Beacon, Steal, Repeat - The Story of P7 DarkSword Variant」
iVerifyの投稿の冒頭、P7 DarkSwordを見つけた経緯の要約出典: iVerify(引用)
iVerifyは、P7が従来より良くなった点を3つ挙げています。端末に残る痕跡を減らしたこと、キーチェーン(パスワードなどを保存する仕組み)と暗号資産ウォレットの情報を端末の中で取り出すようにしたこと、攻撃者のサーバーと双方向でやり取りできるようにしたことです。
実装の説明では、攻撃者のサーバーへ送る情報として、入っているアプリの一覧、メモ、写真、キーチェーンとウォレットの情報が挙がっています。攻撃者の指示は15秒ごとに取りに行くと書かれています。
この投稿の本文には、狙われた人の種類や、P7が対象にするiOSの範囲は書かれていません。ここから先は、書かれていることだけを分けて読みます。
もとのDarkSwordは、どのiOSで、だれが狙われたか
Googleの脅威情報チームは2026年3月19日、DarkSwordはiOS 18.4から18.7に対応し、6つの脆弱性を使うと公表しました。2025年11月以降、複数の商用の監視ソフトの業者や、国家の支援が疑われる攻撃者が使ったとしています。
狙われた先として、Googleはサウジアラビア、トルコ、マレーシア、ウクライナの標的を挙げています。iVerifyは2026年3月18日、ウクライナの2つのサイトに仕込まれた攻撃を見つけたと書きました。攻撃を配るサーバーは、ウクライナのIPアドレスからのアクセスにだけ攻撃を返していました。
一般の人が広く狙われたとは、GoogleにもiVerifyにも書かれていません。一方で、iVerifyは、悪意のあるサイトを開くだけで感染する「1クリック」の攻撃キットだったと書いています。古いiOSのまま使い続けると、同じ弱点が残ります。
何に更新すれば守られるか Appleの公式の情報
Googleは、DarkSwordの脆弱性を2025年の終わりにAppleへ報告し、すべてがiOS 26.3までに修正されたと書いています。ほとんどはそれ以前に修正されたとも書いています。
Appleのセキュリティコンテンツのページには、次の注が付いています。2026年4月1日にiOS 18.7.7がより多くの機種で使えるようになり、自動アップデートを有効にしている人は、DarkSwordというウェブ攻撃への重要な保護を自動で受けられるようになった、という内容です。
Appleのセキュリティコンテンツのページにある、DarkSwordに関する注出典: Apple(引用)
Appleの「セキュリティリリース」のページから、親の機種ごとに見る表を作りました。
| 親のiPhone |
Appleの公式ページに書かれていること |
| iPhone 11以降 |
最新はiOS 27.0.1とiOS 26.7.1(どちらも2026年9月28日) |
| iPhone XS・XS Max・XR |
iOS 18の最新は18.7.10(2026年8月17日)。iOS 27の対象はiPhone 11以降と書かれている |
| iPhone 8・8 Plus・X |
iOS 16.7.15(2026年3月11日)でCorunaに関連する修正。その後に16.7.16(2026年5月11日) |
| iPhone 6s・7・SE(第1世代) |
iOS 15.8.7(2026年3月11日)でCorunaに関連する修正。その後に15.8.8(2026年5月11日) |
Corunaは、DarkSwordとは別の攻撃キットの名前です。Googleが書くDarkSwordの対象はiOS 18.4から18.7までなので、iOS 16やiOS 15の機種の更新は、別の攻撃への備えとして読みます。
今日からできること 親のiPhoneの確かめ方と更新の手順
Appleの案内に沿って、親のiPhoneで次の順に進めます。
- 「設定」を開き、「一般」、「ソフトウェアアップデート」の順にタップします。いま入っているiOSのバージョンと、更新が出ているかどうかが表示されます。
- 更新が出ていたら、先にiCloudかコンピュータでバックアップを取り、iPhoneを電源につないでWi-Fiに接続します。
- 「ダウンロードしてインストール」をタップし、画面の案内に従います。
- 同じ画面の「自動アップデート」から「自動インストール」をオンにします。更新が出ると、充電中でWi-Fiにつながっている夜間にiPhoneが入れてくれます。
更新の途中でパスコードを聞かれることがあります。親のパスコードを、先に確かめておくと安心です。更新のあとは、前のバージョンに戻せません。
更新が表示されないときは、コンピュータを使って更新する方法も、Appleの案内のページにあります。
関西の暮らしと仕事での使いどころ
たとえば、お盆や正月、法事で実家に帰ったとき、親のiPhoneの「ソフトウェアアップデート」を一緒に開く、という使い方ができます。表示されたiOSのバージョンを、この記事の表と見比べるだけで足ります。
大阪や神戸、京都に住む親と、遠くで暮らしている場合は、電話で「設定の一般を開いて」と順に案内する方法もあります。手順を紙に書いて、親のiPhoneのそばに置いておくのも一つです。
スマホで困ったときの相談先は、高齢の親のスマホの困りごと 関西の相談先を図解 188と#9110にまとめています。この記事は、公式の情報の整理であり、個別の端末の感染の有無を判断するものではありません。
次に実家へ帰ったら、親のiPhoneをちょっと貸してもろて、更新が来とらんか見たってな。