同じJRの同じ区間でも、来年1月からは、持っているカードで差がつきます。
JR西日本は、ICOCAで乗るとたまる「時間帯指定ポイント」と「利用回数ポイント」を、2026年12月の利用分で終えます。一方で、JR西日本の後払いエリアでPiTaPaに付く10%の割引は続きます。11月2日には、代わりに見える「モバイコGO」も始まりました。
今のICOCAのままでよいのか、PiTaPaを作るのか、クレジットカードのタッチ決済で足りるのか。答えは乗り方で変わるので、次の質問を上から順に見てください。
こどもの運賃や障害者割引の運賃で乗りますか?
はいICOCAかPiTaPaのカードで。タッチ決済は大人運賃だけです。
定期券で通っていますか?
はい今の定期のカードのままで。定期の区間の外に月何回乗るかだけ見ます。
JR西日本の同じ運賃の区間に、定期なしで月11回以上乗りますか?
はいPiTaPaが第一候補です。カードを増やしたくなければ、モバイコGOと比べます。
阪急、阪神、南海、大阪メトロ、近鉄に、定期なしでよく乗りますか?
はいPiTaPaの割引が使えます。阪急はICOCAのポイント還元も選べます。
乗るのは月に数回ですか?
はい手持ちのICOCAかタッチ決済で十分です。割引は狙わなくて構いません。
各社の案内をもとに編集部が作った目安です。
終わるポイントで、いくら減るか
影響が大きいのは、定期券を持たずにJRに乗る人です。終わるのは次の2つです。
JR西日本の発表。時間帯指定ポイントと利用回数ポイントは2026年12月の利用分で終わる出典: JR西日本「モバイルICOCAの鉄道利用とお買い物でポイントが進呈される「モバイコGO」」(2026年9月29日)(引用)
利用回数ポイントでは、1か月に同じ運賃の区間を11回以上乗ると、11回目から運賃の10%がたまります。時間帯指定ポイントは京阪神の一部の区間が対象で、平日10時から17時と土休日の利用に付きます。
運賃240円の区間で計算すると、減る額が見えてきます。週の半分ほど出社して月22回乗る人なら、11回目以降の12回分で、月288ポイント、年3,456ポイントです。12月利用分までの分は、2027年1月上旬ごろに付きます。
モバイコGOの点は、買い物が9割
11月2日に始まったモバイコGOは、2027年3月31日までのキャンペーンです。モバイルICOCAかApple PayのICOCAでJR西日本に乗った日と、同じ日にICOCAで買い物をした日を数えます。
モバイコGOの進呈ポイント。月の達成回数と、J-WESTカードの有無で変わる出典: JR西日本「モバイコGO」(引用)
先ほどの月22回の人は、通う日が11日なので、「8回」の段に入ります。同じ日に1円以上の買い物を8日以上すると、30ポイントと300ポイントで計330ポイントです。買い物をしなければ30ポイントで、今の288ポイントの1割ほどにとどまります。
条件も細かく決まっています。
- カードのICOCAは対象外で、ICOCA定期券の区間内の利用も数えられません。
- WESTERアプリの「おトクにGO!」からのエントリーが要り、エントリーの前の利用は対象外です。
- たまるのは、チャージ専用のWESTERポイントです。
毎日のようにコンビニや駅ナカでICOCAを使う人なら、穴はほぼ埋まるでしょう。ただ、買い物の習慣が無い人の代わりにはならず、4月以降の扱いも発表にはありません。
PiTaPaの割引は、JRも私鉄も続く
PiTaPaは、使った分をあとで支払うカードです。JR西日本の後払いエリアでは、利用回数割引が同じ運賃の区間の11回目から10%、時間帯指定割引が月4回目から10%。今のICOCAのポイントと同じ率が、ポイントでなく請求から引かれる形で続きます。
さっきの月22回の人は、PiTaPaなら月288円が引かれたままです。私鉄と地下鉄の割引は会社ごとに違い、次の分は事前の登録が要りません。
| 会社 |
PiTaPaの主な割引 |
| Osaka Metro |
月の利用額が1万円までは1回目から10%引き |
| 阪急 |
11〜30回目は10%、31回目以降は15% |
| 阪神 |
11回目以降は10% |
| 南海 |
11回目以降は10% |
| 近鉄 |
月3,150円を超えた分の10% |
阪急は、登録したICOCAでも、同じ運賃の区間に11回以上乗ると同じ率のポイントがたまります。このサービスは、JR西日本の今回の終了とは別のものです。モバイルICOCAも使えて、たまったポイントは券売機でチャージします。
作る前に見ておきたい点もあります。
- 入会には審査があり、発行を断られる場合もあります。
- 入会金と年会費は要りませんが、1年に一度も使わないと維持管理料1,100円がかかります。
- PiTaPaベーシックカードなどは、利用代金通知書の発送料が150円です。
- 届くまでに、オンラインでも最短2週間、申込書なら3〜4週間かかります。
タッチ決済は、たまに乗る人のもの
クレジットカードやスマホをそのまま改札にかざす乗り方です。事前の登録は要りません。大阪メトロ、阪急、阪神、近鉄、南海、神戸市営地下鉄で使え、大阪シティバスも一部の路線を除いて対応しました。京阪は使えません。JR西日本のタッチ決済による乗車は、確認した範囲では案内が見つかりませんでした。
手軽な分、できないことがはっきりしています。
| できること |
できないこと |
| カードを出すだけで乗る |
こどもの運賃(子どもが使っても大人運賃) |
| 月に数回の外出や出張 |
定期券として使う |
| 帰省してきた親や友人の移動 |
ICOCAや回数券と組み合わせる |
阪神は、振替輸送の対象外とも案内しています。運転見合わせのときに別の路線へ回る可能性があるなら、ICOCAかPiTaPaも持っておくと安心です。
なお、コード決済の上限やポイントはコード決済7つを図解 上限額・チャージの方法・ポイントを公式で確かめたでご覧いただけます。
12月までにやること
- 先月の乗車を数える。ICOCAの利用履歴で、同じ運賃の区間の回数を見ます。
- JRに月11回以上乗るなら、PiTaPaかモバイコGOかを決める。買い物を毎日のようにICOCAで払わない人は、PiTaPaが向きます。
- PiTaPaにするなら11月中に申し込む。1月の乗車に間に合わせるための目安です。
- モバイコGOにするなら、先にエントリーしてから乗る。
- 親や子どもの分は別に考える。タッチ決済をそのまま勧めると、こどもの運賃が使えません。
ポイントが消える前に、先月乗った回数だけ数えとこか。