木曜の午前10時、オフィスの天井のスピーカーからチャイムが鳴り、「緊急地震速報」の声が流れる。11月5日は、そんな放送が全国のあちこちで聞こえる日です。
内閣府、消防庁、気象庁は10月29日、11月5日の10時ごろに、緊急地震速報の全国一斉の訓練をすると発表しました。この日は「津波防災の日」で「世界津波の日」でもあり、全国の都道府県と1,740の市区町村が参加します。国の機関や学校のほか、民間の会社なども738か所が加わる予定です。
流れるのは防災無線と館内放送、スマホは原則鳴らない
10時ごろ、気象庁が訓練用の緊急地震速報(訓練報)を流します。受け取った自治体や会社が、防災行政無線や建物の館内放送、専用の受信機で知らせ、聞いた人が身を守る動きを練習する、という流れです。防災行政無線などで住民に知らせる自治体は、全国で779。
外の防災無線や館内放送は鳴りますが、テレビやラジオ、スマホに一斉に届く緊急速報メール(エリアメール)では、訓練報は流れません。ただし、一部の市区町村は、ケーブルテレビやコミュニティFMで訓練報を流したり、緊急速報メールで訓練用の避難指示などを送ったりします。生駒市の例は、生駒市で11月5日に緊急速報メールの訓練 奈良・大阪の一部でも鳴るかもで取り上げました。
発表の資料にある訓練の内容。訓練報はテレビやラジオ、緊急速報メールでは流れない出典: 出典:総務省ホームページ(https://www.soumu.go.jp/main_content/001098343.pdf)(総務省ホームページの「公共データ利用規約(第1.0版)」に準拠した利用条件。出典を記載。資料の2ページ目を画像にして切り抜いたもの(加工なし)・2026年10月30日確認)
地震の起き方によっては、訓練報を急に取りやめることもあります。その場合は、気象庁のホームページなどで知らせるとしています。気象庁の訓練報を使わない会社などでは、10時以外の時間に訓練をすることもあります。
関西で住民と訓練する市町
住民が加わって緊急地震速報への動きを練習する団体は全国で140、避難訓練をする団体は42あります。そのうち関西の市町は、次のとおりです。
| 府県 |
揺れから身を守る訓練 |
避難訓練 |
| 兵庫県 |
神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、相生市、豊岡市、赤穂市、高砂市、播磨町、太子町、佐用町 |
尼崎市、西宮市、播磨町 |
| 和歌山県 |
和歌山市、紀の川市、有田川町、日高町、北山村 |
日高町 |
| 京都府 |
京田辺市、宇治田原町 |
― |
| 奈良県 |
生駒市 |
― |
| 滋賀県 |
― |
彦根市 |
このうち、尼崎市、豊岡市、日高町は津波も想定します。重なりを除くと、関西で住民と訓練する市町は20です。
大阪府の市町村は、この2つの一覧に1つも入っていませんでした。とはいえ、参加する自治体はすべて訓練報の受信を確かめますし、民間の会社なども加わるので、職場や学校の館内放送で流れることはあります。
住民が参加して揺れから身を守る訓練をする都道府県・市町村の一覧(下線は津波も想定)出典: 出典:総務省ホームページ(https://www.soumu.go.jp/main_content/001098343.pdf)(総務省ホームページの「公共データ利用規約(第1.0版)」に準拠した利用条件。出典を記載。資料の3ページ目を画像にして切り抜いたもの(加工なし)・2026年10月30日確認)
鳴ってから揺れるまでの数十秒にできること
緊急地震速報が出てから強く揺れるまでは、数秒から数十秒しかありません。その短い時間に、場所ごとに何をするかを、一度体で試しておくのが今回の訓練です。発表の資料には、場面ごとの動きの例もあります。
- 家では、頭を守って丈夫な机の下などに入る。慌てて外に飛び出さず、無理に火を消そうとしない
- 人の多い施設では、係員の指示に従い、出口に走り出さない
- 車の運転中は、急ブレーキをかけずにハザードランプをつけ、ゆるやかに速度を落とす。大きく揺れたら道の左側に止める
- 電車やバスでは、つり革や手すりにしっかりつかまる。エレベーターでは、近い階で止めて降りる
- 外では、ブロック塀の倒れや看板、割れたガラスの落下に気をつける
資料には、訓練の前後に確かめる「行動チェックシート」もあります。訓練報をどこで聞くか、家と外で安全な場所はどこか。10時の放送を待つ前に、その2つだけでも思い浮かべておくと、当日の数十秒が使えます。
神戸や尼崎では住民も一緒に動くんや。大阪の職場でも館内放送が鳴ったら、机の下に一回入ってみよな。