スマホの料金の明細を、下までたどっていく。基本料や通話料のあとに、見慣れない「BBユニバーサルサービス料」の行が、2円ほどで載っている。
このお金は、山あいや離島でも光回線などを使えるように支える制度から来ています。その元になる通信会社の負担金が、2027年度は1回線あたり6円になる案が出ました。総務大臣から諮問を受けた審議会が、11月30日まで意見を募集中です。
電気通信事業者協会のパンフレット(2026年3月)。2026年度の負担金は1回線あたり年2円出典: 一般社団法人電気通信事業者協会(引用)
2円の行は、採算のとれない地域の回線を支えるお金
電気通信事業法では、全国どこでも使えるようにすべきサービスを「ユニバーサルサービス」と呼びます。これまでは電話だけでした。2022年の法改正で、光回線(FTTH)やケーブルテレビの回線、専用型の固定無線のうち30Mbps以上のものも加わり、お金を集めて配る仕組みが2026年度に始まりました。
流れはこうです。光回線やスマホの回線を出す通信会社が、回線の数に応じて負担金を払う。集まったお金は、人口が少ないなどで採算のとれない区域に回線を出す会社へ、交付金として渡ります。電気通信事業者協会(TCA)によると、2026年度の負担金は1回線あたり年2円でした。
この負担金と同じ額を、会社が利用者に「BBユニバーサルサービス料」として求めることがあります。たとえばNTTドコモは、2026年3月の利用分に1回線2.2円(税込み)を請求しました。明細で見かけた2円ほどの行は、これです。
来年度は1回線6円、交付金は約12.3億円の案
TCAは10月20日、2027年度の交付金と負担金の案を総務大臣に申請しました。初めての年に続く2回目の申請です。
交付金の合計は約12.3億円で、受け取るのは3社です。NTT東日本が約6.5億円、NTT西日本が約5.8億円、ケーブルテレビのZTVが約186万円。NTT西日本の分の内訳は、「公設区域」が約3.7億円、「未整備区域」が約2.1億円です。
電気通信事業者協会の申請(10月21日発表)。2027年度の交付金は約12.3億円、負担金は1回線6円出典: 一般社団法人電気通信事業者協会(引用)
6円という単価は、TCAが業務に見込む費用を、2026年3月末の回線の数(約2億1,455万回線)で割り、端数を切り上げて出しました。決まりどおりに毎月集めると、見込みの約2倍の額が集まってしまいます。そこで2027年度は、2027年3月末の回線の数をもとに、年1回だけ集める案になりました。
請求への影響は、各社しだい
負担金を払うのは、通信の収益が10億円を超える91社です。関西に地盤のある会社では、オプテージ、近鉄ケーブルネットワーク、KCN京都、ベイ・コミュニケーションズの名前が一覧にあります。
ただ、利用者の料金に上乗せするか、いつの利用分に載せるかは、それぞれの会社が決めます。ドコモも、2027年以降の料金と対象の月は改めて知らせるとしています。
仮に6円をそのまま上乗せすると、消費税を入れて1回線あたり6.6円ほどの計算です。家族4人がスマホを1台ずつ持ち、家に光回線が1本あれば、5回線で30円あまり。年に1回なら家計に響く額ではありませんが、名前を知らないと、身に覚えのない請求に見えてしまいます。
案への意見は、11月30日(必着。郵送は当日の消印まで有効)まで出せます。e-Govの意見提出フォーム、総務省の担当課へのメール、郵送の3つで受け付け、総務省のおすすめはe-Govです。個別の回答はなく、個人で出した人の名前は公表されません。
西日本の山あいや島の回線も、こういうお金で支えとるんや。明細の数円の行、来年はちょっと気にして見とこな。