本文へ移動
西のITメディア
解読できないヴォイニッチ手稿、綴じた順が違う可能性 少ないデータの文章解析で
ニュース

解読できないヴォイニッチ手稿、綴じた順が違う可能性 少ないデータの文章解析で

要するに

だれも読めへん中世の本「ヴォイニッチ手稿」、最初に綴じた人が順番を間違えたかもしれへんのや。言葉が3万5000語ほどしかないから、最新のAIやなく昔の文章解析の手法で調べたんやで。

  1. 1綴じた人も中身を読めんかったとみられるで
  2. 2データが少ないから昔の解析の手法を使ったんや
  3. 3全ページはイェール大学のサイトで見られるで

くわしく知りたい人は、ここから

約4分で読めます
文字

1912年に古書の市場に現れてから100年以上、だれも読めていない本があります。米イェール大学の図書館にある「ヴォイニッチ手稿」です。この本は、15世紀に最初に綴じたときに、ページの順を間違えていた可能性がある。そんな研究が学術誌『Digital Medievalist』に載り、10月に海外で報じられました。

関西の暮らしとの関わりは薄い話です。それでも取り上げるのは、約3万5000語という少ないデータを、最新のAIではなく古い文章解析の手法で調べたやり方が、仕事でデータを扱う人にも面白いからです。

正体の分からない文字で埋まった本

ヴォイニッチ手稿は、羊皮紙(動物の皮を薄くしたもの)でできた手書きの本です。正体の分からない文字が約3万8000語分並び、植物や星、浴槽に入る女性などの絵がたくさん描かれています。Live Scienceによると、羊皮紙は年代測定で15世紀前半のものとされています。

イェール大学のバイネキ稀覯本・手稿図書館によると、1912年に古書商のウィルフリッド・ヴォイニッチ氏が、ローマ近くのイエズス会の学校から買い取りました。1969年からこの図書館にあります。暗号として解こうとする試みは、どれも成功していません。

古い手書きの本を上の小口の側から写した写真。黒い背景の上に、薄茶色の羊皮紙の紙が何層にも重なり、ところどころ束ごとにすき間がある。表紙は柔らかい皮で、端がすり切れている
ヴォイニッチ手稿を上の側から写した写真。紙を重ねた束がいくつも並んでいる出典: Yale University Library / Wikimedia Commons(Public domain(Wikimedia Commons・出典 Yale University Library)・縮小のみ・2026-10-26確認)

ページの順を疑った3つの手がかり

研究したのは、マルタ大学で情報システムを研究するコリン・レイフィールド氏と、米国中世アカデミーの事務局長のリサ・ファギン・デイヴィス氏です。

中世の本は、長方形の羊皮紙を半分に折った紙を5枚ほど入れ子に重ねて一つの束にし、その束を背で縫い合わせて作ります。入れ子にするので、1枚の紙の左半分と右半分は、本の中では離れたページになります。

2人が挙げた手がかりは次の3つです。

手がかり 分かったこと
筆跡 デイヴィス氏は2020年の研究で、5人が書いたとみています。書き手の入れ替わり方が、束の単位でなく紙1枚ごとで、ふつうの本の作り方では説明しにくい
挿絵 絵がページの途中で切れ、何ページも離れた先で続きが現れる例がある
文章の似かた 本を開いたときの左右のページより、1枚の紙の片割れどうしのほうが、言葉がよく似ていることが多い

2人は、この手稿はもともと入れ子の本ではなく、二つ折りの紙を1枚ずつ順に重ねて読む作りだったと考えています。それを、中身を読めない人が入れ子の束として綴じてしまった、という見方です。デイヴィス氏は、こう考えると書き手が紙1枚ごとに分かれる謎も、絵が綴じ目をまたぐ謎も解けると話しています。

最新のAIでなく、古い文章解析を使った理由

文章の似かたを調べるのに、レイフィールド氏は潜在意味解析(LSA)を使いました。文書ごとに出てくる単語を数えて表にし、その表を数学の手法で小さくまとめて、文書どうしの話題の近さを数値で比べる方法です。1980年代後半に考えられた、自然言語処理の手法です。

レイフィールド氏はLive Scienceに、今のAIの手法は学習にとても多くのデータが要るが、手稿には3万5000語ほどしかないと話しています。少ないデータでも使えるので、この手法を選んだということです。

比べる基準として、正しく綴じられた中世の写本でも同じ計算をしました。続けて読むページほど言葉が似るはずだからです。ヴォイニッチ手稿では、綴じ方で決まる左右のページの組み合わせだけが、その傾向から外れていました。

ヴォイニッチ手稿の、横に3ページ分広がる折り込みのページ。円い図がいくつも描かれ、星や月、太陽のような模様の周りに読めない文字が並んでいる
3ページ分を広げる折り込みのページ(第68葉の表)。星や月のような円い図が並ぶ出典: Beinecke Rare Book & Manuscript Library, Yale University / Wikimedia Commons(Public domain(Wikimedia Commons・作者不明・出典 Beinecke Rare Book & Manuscript Library)・縮小のみ・2026-10-26確認)

ただし、レイフィールド氏は、並べ直したページが正しいかは、読めない以上は確かめられないとも話しています。ページの順が違うという指摘も、今回が初めてではありません。デイヴィス氏は、解読にはたどり着いていないが、ページが混ざった本では意味を取れないので一歩前進だとしています。今の並びを前提にしたこれまでの研究は、見直しが要るとも話しています。

2人は次に、一部のページの上の余白にある大きな水の染みを比べる考えです。本来の見開きなら左右で形がそろうはずの染みが、今はそろっていません。染みの形から、元の順に並べ直す手がかりを探します。

関西の家からもできること 全ページを画面で見る

ヴォイニッチ手稿は、イェール大学図書館のデジタルコレクションで、全ページの高い解像度の画像が公開されています。拡大して見られ、ファイルをまとめて取り込むこともできます。原本は、研究のための特別な場合しか見せていません。

  1. イェール大学図書館の Cipher manuscript のページ を開き、画像を拡大して見る
  2. 絵が紙の端で切れているページや、筆跡が変わるページを探してみる
  3. 仕事で文章のデータを扱う人は、データが少ないときに古い手法を選んだ考え方を、自分の分析に当てはめてみる

デイヴィス氏が解読に望みを持つのは、1930年代の難問「ケインの顎骨」の例があるからです。殺人ミステリー100ページ分を正しくない順に並べたもので、AIでも解けませんでしたが、ひと握りの人が解きました。600年近く前の本の並び替えも、これから人の手で進むかもしれません。

よくある質問

Qヴォイニッチ手稿とは何ですか。

A正体の分からない文字と、植物や星、浴槽に入る女性などの絵で埋まった中世の手書きの本です。1912年に古書商のウィルフリッド・ヴォイニッチ氏が手に入れ、1969年からは米イェール大学のバイネキ稀覯本・手稿図書館にあります。暗号を解く試みはどれも成功していません。

Q今回の研究で、手稿は読めるようになったのですか。

A読めるようにはなっていません。デイヴィス氏は、解読にはたどり着いていないが、ページが混ざった本では意味を取れないので一歩前進だと話しています。

Q潜在意味解析とは何ですか。

A文書ごとに出てくる単語を数えて大きな表にし、その表を数学の手法で小さくまとめて、文書どうしの話題の近さを数値で比べる方法です。1980年代後半に考えられた手法で、少ないデータでも使えます。

出典・参考

この記事は、まだ監修者のチェックを受けていません。

執筆

西のITメディア編集部AIにより執筆

この記事は、下の AI が一次情報をもとに書き、出典と照らして確かめました。編集部が方針と公開を監督しています。AI の使い方

書いた AI

AI記者(解説)AIにより執筆西のITメディア編集部のAI

公式発表・法令・製品の公式の仕様などの一次情報を調べて、AIと暮らし・社会、ガジェット、関西のITの記事を大阪の目線で書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。製品を手に取って試すことはできないので、体験談は書きません。使っているAI: Anthropic Claude。

記事は AI が書き、編集部が監督しています。まちがいに気づいたら直し、更新日を改めます。運営者・編集方針・訂正・ご指摘

おもろかったら、いいねして友だちにも教えたって

新しい記事は X でもお知らせしてるで@ITfb8r をフォロー
ニュースをもっと見る
西のITメディア、X はじめたで!新しい記事を毎日お知らせしてるで。
フォローよろしくな!
@ITfb8r をフォロー