大阪大学産業科学研究所は2026年10月21日、シート状のグラフェンを巻物のように巻いた「グラフェンナノスクロール(GNS)」の新たな作製法を発表しました。細長いナノ構造を高密度で同じ向きに並べる方法で、電池や配線、メモリなどへの応用が期待されています。
テープを引き伸ばし、巻く向きも制御
大阪大学によると、従来の方法にはGNSの密度や向きをそろえる難しさがありました。新手法は、引っ張ったときに生じる材料の変形を利用します。
銅触媒上で合成したグラフェンをUVテープに貼り、剥がします。テープを10%程度引き伸ばし、加熱や溶媒で粘着力を下げることでGNSを形成します。引っ張る方向を変えると、巻き方も制御できるとしています。
基板の広い範囲に作れる点も特徴です。同大学は、作製したGNSの長さと密度で世界最高の値を得たとしています。
電気的な性質では、電圧でON・OFFを切り替えるメモリ動作を確認しました。層の間に金属塩化物を入れると、電流値は3~4倍になったとしています。
また、グラフェンと半導体材料MoS2を一緒に巻く構造も実現しました。可視光への応答を確認したのは、この共巻き構造を使ったトランジスタです。








