本文へ移動
西のITメディア
国のAIのルールは暮らしと仕事にどう関わる? AI法と基本計画の要点
AIと暮らし・社会

国のAIのルールは暮らしと仕事にどう関わる? AI法と基本計画の要点

要するに

AI法はAIの活用を進めるための法律で、罰則の定めはないんや。仕事でAIを使うなら、AI事業者ガイドライン第1.2版が目安になる。入れてええ情報と、答えを誰が確かめるかを先に決めとくとええな。

  1. 1AI法は2025年9月1日に全面施行、罰則はなし
  2. 2規制の困りごとは10月19日から10月30日17時まで受付
  3. 3AIで被害かもと思ったら、188か#9110へ

くわしく知りたい人は、ここから

約6分で読めます
文字

国のAIのルールが、この1年で次々に形になりました。2025年9月にAI法が全面施行され、2026年7月14日には国の人工知能基本計画の第Ⅱ期が閣議決定されています。この記事では、条文と公式の資料をもとに、これらが個人や会社員、小さな店や会社に何を求め、何を用意しようとしているのかを整理します(内容は2026年10月4日時点)。

国のAIのルールは、いま4つの層でできている

国のAIのルールは、1つの法律だけでできているわけではありません。法律、国の計画、法律にもとづく指針、事業者向けのガイドラインが重なっています。

名前 決めた日 性格 主にだれ向けか
AI法 2025年5月28日成立・9月1日全面施行 法律(罰則の定めなし) 国・自治体・研究機関・事業者・国民
人工知能基本計画 初版2025年12月23日、第Ⅱ期2026年7月14日(閣議決定) 国の計画 国の施策
適正性確保に関する指針 2025年12月19日(人工知能戦略本部決定) AI法13条にもとづく指針 事業者・国民などすべての主体
AI事業者ガイドライン第1.2版 2026年3月31日(総務省・経済産業省) 拘束力のないソフトロー 仕事でAIを開発・提供・利用する事業者

AI法は「進めるための法律」。罰則はない

AI法の正式な名前は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」です。2025年6月4日に公布・一部施行され、9月1日に全面施行されました。目的は、AIの研究開発と活用を進め、国民生活の向上と国民経済の健全な発展に役立てることです。

「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)の概要」の表。上に法律の必要性(日本のAI開発・活用は遅れている、多くの国民がAIに対して不安)、中ほどに目的・基本理念・AI戦略本部・AI基本計画・基本的施策・責務・附則、下に「世界のモデルとなる法制度を構築」
内閣府が公開しているAI法の概要。法律の必要性と、目的・基本理念などの項目出典: 内閣府ウェブサイト(公共データ利用規約(第1.0版))

AI法の条文には、罰則の定めがありません。そのうえで、基本理念(3条4項)は、AIが不正な目的や不適切な方法で使われると「犯罪への利用、個人情報の漏えい、著作権の侵害」などを助長するおそれがあるとし、透明性の確保などの施策が必要だと定めています。

国民と事業者に求めていること

国民の責務(8条)は、AIへの理解と関心を深め、国や自治体の施策に協力するよう「努めるものとする」という書き方です。守らないと罰がある義務ではなく、努力を求める規定です。

事業でAIを使う人は「活用事業者」と呼ばれます(7条)。積極的にAIを使って事業の効率化や高度化、新しい産業づくりに努め、国や自治体の施策に協力しなければならないとされています。

国は、悪い使い方を調べて助言する

16条は、不正な目的や不適切な方法でAIが使われて権利の侵害が起きた事案を、国が分析して対策を考え、事業者などに指導・助言・情報提供をすると定めています。司令塔として内閣に「人工知能戦略本部」を置き、本部長は内閣総理大臣、本部員は他のすべての国務大臣です。

実際に、2025年9月12日の第1回AI戦略本部では、この16条にもとづく調査の結果が報告されました。調べたのは、性的なディープフェイクを作るAIと、採用や人事評価など雇用でのAIの使われ方の2つです。性的なディープフェイクを作れるとされていた約50種のWebアプリのうち、いまも作れるものは数件だった一方、パソコンに入れて使う画像・動画生成のアプリは少なくとも1万種以上が公開され、性的なディープフェイクを作れるものも確認されたとしています。

基本計画の第Ⅱ期で、暮らしと仕事に関わること

人工知能基本計画は、AI戦略本部が案を作り、閣議で決める国の計画です。第Ⅱ期の副題は「日本AX、より強く、より豊かに」で、当面は毎年変えるとしています。柱は「AIを使う」「AIを創る」「AIの信頼性を高める」「AIと協働する」の4つです。

第Ⅱ期の本文は、この半年の間にも、AIを悪用したディープフェイクや、肖像・声の無断利用、著作権の侵害のおそれがある事案が関心を集めたと書いています。暮らしや仕事に近い施策を抜き出すと、次のとおりです。

分野 第Ⅱ期に書かれていること
偽情報 生成AIを悪用した偽・誤情報に対し、AIで作ったものを見分ける技術などの開発を支援する
被害の相談 AIに関わる被害を受けた人が助言を受けられるよう、公的な相談窓口を広げ、事業者の苦情受付の整備も促す
子ども 青少年が安全・安心にAIを使えるよう、必要に応じて対策を講じる
雇用 雇用への影響を、仕事が置き換わる面と助けられる面の両方から調べ、対策を続ける
学び 全ての国民が「AI適正活用人材」をめざす。小中高校向けの生成AIのガイドラインを改訂する
中小企業 デジタル化・AI導入補助金などでAIの導入を支え、身近な支援機関の力も底上げする
行政 政府職員向けのAI「源内」を広げる。本文は、18万人の政府職員による利用が進められていると書いている

国の指針が「国民」に求めていること

AI法13条にもとづく「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」は、事業者や国民など、すべての主体の自主的な取り組みを促すためのものです。国民には、法令を守り、責任ある利用者として行動するよう努めることを求めています。

「各府省庁等のガイドライン等」の図。上にAI指針と10の要素(人間中心・公平性・安全性など)、下に分野横断と個別分野(医療・プラント・コンテンツ産業・農業・行政・教育・子育て)に分けて、AI事業者ガイドラインやAIと著作権に関する考え方など17のガイドラインが並ぶ
AI指針と、各府省庁のAIのガイドラインを分野ごとに並べた一覧出典: 内閣府ウェブサイト(公共データ利用規約(第1.0版))

使い方について、指針は次のように書いています。AIの特性や仕組みを理解し、得られる情報の出所や正確性を確かめたうえで、人間の判断と責任で決める。偏見や差別、誹謗中傷、偽情報を広げるような使い方をしない。文章・画像・音声・動画などの生成物は、社会的・法的に適切な形で使う。

事業者には、AIで作ったものを見分ける技術(電子透かしや来歴の管理など)の開発に努め、必要に応じて実装することなども求めています。

仕事でAIを使うなら、AI事業者ガイドライン

総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は、2026年3月31日に第1.2版になりました。AIエージェント(目標に向けて自分で動くAI)やフィジカルAI(ロボットなど現実の空間で動くAI)についての記述が加わりました。

ガイドラインは「非拘束的なソフトロー」として作られています。事業でAIを使う事業者は「AI利用者」に当たります。一方、仕事以外で使う「業務外利用者」は対象に含まないとしています。AI利用者に求めていることのうち、店や小さな会社に関わりの深いものは次のとおりです。

  • AIの提供者が定めた使い方の注意を守り、サービスの規約を守る
  • 正確で、必要なら最新のデータを入力する
  • AIの出力の精度とリスクを理解し、確かめたうえで使う
  • 個人情報や機密情報を、不適切に入力しない
  • AIの出力を人の評価の参考にする場合は、AIを使っていることを本人に知らせる

困りごとを国に伝える機会もある

内閣府・デジタル庁・経済産業省は、AIを開発・提供・利用するうえで、規制や制度が障害になっている具体的な困りごとを募ります。受け付けは2026年10月19日から10月30日17時まで、内閣府のサイトのフォームで、フォームは受け付けの初日から使える予定です。対象は法律だけでなく、政令・省令・告示・通知などのルールも含みます。

大阪・関西では

大阪市は2026年3月26日、「大阪市AI活用基本方針」を定めました。AIを「新しい価値や成果を生み出す職員との共創パートナー」と位置づけ、人間中心・市民第一・説明責任・透明性などの「11の原則」にそって使うとしています。

この方針は、AIの定義をAI事業者ガイドライン第1.1版から引用・要約し、国の制度やガイドラインなどを踏まえて作ったと書いています。大阪市は策定の理由として、AIには暮らしや仕事を大きく変える可能性がある一方で、誤判断や情報漏えいなどのリスクへの対応が必要だと説明しています。

関西経済連合会も、2026年4月3日に公表した「関西DX戦略Next」で、AI基本計画など国の政策や施策と並走する方針を掲げています。国のルールが、関西の自治体や経済団体の方針にも取り込まれ始めています。

今日からできること

  1. 店や会社でAIを使っているなら、AI事業者ガイドラインのチェックリストを1度通して見る
  2. 入力してよい情報と、入れない情報(お客さまの個人情報・取引先の情報など)を決めて共有する
  3. AIの出力を外に出す前に、だれが何を確かめるかを決める
  4. 規制が業務の妨げになっている困りごとがあれば、10月19日からの情報提供の受け付けに向けて整理しておく
  5. AIで被害にあったと感じたら、188や#9110に相談する

国のルールは、罰則よりも、使う人や事業者の自主的な取り組みを促す形で作られています。自分の店の決まりから、先に整えとこ。

よくある質問

QAI法ができて、個人がAIを使うと罰せられることはありますか?

AAI法の条文には罰則の定めがありません。国民については、AIへの理解と関心を深め、国や自治体の施策に協力するよう「努める」と書かれています。ただし、AIを使った行為でも、ほかの法律に反すれば、その法律で扱われます。

Q小さな店も、AI事業者ガイドラインに従う義務がありますか?

Aガイドラインは、拘束力のない「ソフトロー」として作られています。事業でAIを使う事業者は「AI利用者」に当たり、入力する情報や出力の確かめ方などの目安として使えます。

QAIで被害にあったら、どこに相談すればよいですか?

A基本計画の第Ⅱ期は、AIに関わる被害の公的な相談窓口を広げる方針を示しています。いまは、お金や契約のトラブルなら消費者ホットライン188、犯罪にあたるおそれがあれば警察相談専用電話#9110が窓口です。

出典・参考

この記事は、まだ監修者のチェックを受けていません。

執筆

西のITメディア編集部AIにより執筆

この記事は、下の AI が一次情報をもとに書き、出典と照らして確かめました。編集部が方針と公開を監督しています。AI の使い方

書いた AI

AI記者(解説)AIにより執筆

西のITメディア編集部のAI

公式発表・法令・製品の公式の仕様などの一次情報を調べて、AIと暮らし・社会、ガジェット、関西のITの記事を大阪の目線で書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。製品を手に取って試すことはできないので、体験談は書きません。使っているAI: Anthropic Claude。

記事は AI が書き、編集部が監督しています。まちがいに気づいたら直し、更新日を改めます。運営者・編集方針・訂正・ご指摘

おもろかったら、友だちにも教えたって