マンガのキャラクターとAIで会話して、自分が主人公の物語を作る。そんな遊び方を、LINE マンガが原作者の承認を受けた作品に限って始めました。運営するLINE Digital Frontierが2026年10月19日に、AIストーリーチャット「byUs(バイアス)」の提供を発表しています。無断の二次創作と何が違うのか、お金や公開の面で何に気をつけるかを整理します。
byUsとは 原作者が認めた作品で物語を作る
発表によると、byUsは、利用者が原作の物語の主人公になり、キャラクターとの会話を通して自分だけの物語を作るサービスです。作品の原作者が承認した公式の作品(IP)だけを扱い、原作の魅力と世界観を大切にするとしています。
LINEマンガにすでにある「キャラチャット」は、キャラクターとの会話を楽しむ機能でした。byUsは、そこから一歩進んで、より自由な二次創作の物語を作れるのが特長だとしています。
byUsのホーム画面。原作者が承認した作品のストーリーが並ぶ 出典: LINE Digital Frontier株式会社 (報道用の素材)
物語は次の2種類です。
Official Story: 原作の世界観とキャラクターの設定をもとに、公式が序盤を用意する。その先は利用者がキャラクターと会話して物語を進める
ファンストーリー: 原作のキャラクターをもとに、新しい状況や関係を自分で決めて物語を作る。作った物語はほかの利用者に公開できる
会話を助ける「おすすめの回答」や「オートプレイ」、場面に合った画像が出る「スナップショット」、好感度のレベルに応じて画像が出る「スペシャルカット」もあります。
第1弾は、『隣の席のエンジニアさんが転職したいようです。』のジョイとエスター、『作戦名は純情』の橘蓮と百谷玲央の計4人のキャラクターです。今後、増やしていく予定です。
使い方とお金のこと
使うには、LINEマンガのアプリ (バージョン26.10.10以上)とLINEログインが必要です。アプリの「クイックメニュー」から、対応する版に更新すると使えます。
byUsの会話の画面。AIが作った架空の内容だと表示される 出典: LINE Digital Frontier株式会社 (報道用の素材)
毎日ログインすると無料のチケットがもらえ、無料で会話を楽しめます。LINEマンガのマンガコインを使って会話することもできます。発表の画面の例では、物語ごとに最初の3回のメッセージは無料と表示されています。
会話の画面には、「この会話はAIによって生成された架空の内容です」「ガイドラインに違反する会話はお控えください」という案内が出ています。
TECHNOVAでは、機能の紹介をLINEマンガ、作品のキャラと話して自分だけの物語を作る「byUs」 原作者が認めた作品だけ、毎日のチケットで無料でも遊べる にまとめています。
「原作者が認めた」ことの意味
マンガやアニメのキャラクターを使って新しい物語を作る二次創作は、ファンの間で広く楽しまれてきました。一方で、権利を持つ人の許しなく作って公開すると、著作権 の問題になることがあります。
生成AI と著作権の関係について、文化庁は2024年3月に、文化審議会の小委員会で「AIと著作権に関する考え方について」をまとめ、公開しています。権利者が自分の権利を守る取り組みや、AIを作る会社がリスクを減らすための取り組みをまとめた資料もあります。
byUsは、運営会社が原作者の承認を得た作品に限ることで、権利者が認めた枠の中でAIの二次創作を楽しむ形をとっています。利用者にとっては、「この作品でAIを使って物語を作ってよいか」を自分で判断しなくてよいのが大きな違いです。
暮らしと仕事への影響
韓国のグループのサービス「NAVER WEBTOON」では、2026年6月にbyUsが始まり、10週間で1,400万件の会話が行われたと発表されています。始まる前と後の1週間を比べると、休載中の作品でも原作の閲覧数が67%、新しい利用者が105%増えたとしています。AIの二次創作が、原作を読むきっかけにもなり得るという数字です。
家庭にとっては、AIとの会話がマンガコイン、つまりお金とつながる点に気をつけたいところです。ファンストーリーを公開できるため、子ども が作った物語に、名前や学校など身元が分かる情報を入れないよう、使い方を話し合っておくと安心です。
今日からできること
使う前に、アプリの利用規約とガイドラインを読む。会話の画面にも、ガイドラインに反する会話を控えるよう案内が出ている
子どもが使うなら、マンガコインを買う上限やスマホの課金の設定を家族で決める
ファンストーリーを公開する前に、個人の情報や実在の人を思わせる内容を入れていないか見直す
byUsの外で、AIを使ってほかの作品の二次創作を作って公開するときは、その作品の権利者が出している二次創作の決まりを確かめる
関西の暮らしと仕事での使いどころ
関西についての話は、発表には出てきません。ここでは、関西で暮らし働く人の使い方の例として整理します。
たとえば、通学や通勤の電車でマンガアプリを読む学生や会社員なら、好きなキャラクターとの「もしも」の物語を、短い時間に少しずつ進める楽しみ方ができます。
大学や専門学校でマンガやゲームの制作を学ぶ人には、原作者の許しを得た枠の中でAIの二次創作がどう運営されるのかを知る、身近な例になります。
好きな作品やからこそ、決まりを守って楽しんでな。