川崎重工は2026年10月5日、船舶の総括操縦システム「KICS®」にタグボート向けの機能を追加したと発表しました。船の位置を保つ定点保持機能と、船首の向きを保つ船首方位保持機能を加え、受注活動を始めています。
位置と向きを保つ機能を追加
KICS®は、複数の操船要素をジョイスティックで操作できるシステムです。今回の追加は、タグボートの位置と向きをそれぞれ保つ操作を支援するものです。
開発・検証では、実際のタグボートを使った海上実証試験を重ねました。川崎重工は、この試験で追加機能の機能性と有用性を確認したと説明しています。
KICS®はこれまで、フェリーやRORO船、SEP船、ケーブル敷設船など、計130隻超に納入されています。ただし、この納入実績と、今回追加したタグボート向け機能の導入実績は分けて読む必要があります。
暮らしと仕事への影響
直接の対象は、タグボートの操船に関わる仕事です。川崎重工は、追加機能が乗組員の負担軽減や、操船技術の習得を容易にすることに貢献すると説明しています。
仕事で導入を検討するなら、注目したいのは機能の数だけではありません。位置や向きを保つ場面で、乗組員のどの操作を支援できるか、習得の負担がどう変わるかを確かめることが大切です。
今回示された効果は、川崎重工による説明です。実証試験で有用性を確認したという発表と、それぞれの現場でどれだけ負担が減るかは、区別して受け止めたいところです。
大阪・関西では
開発・検証に協力したのは、岡山県倉敷市の日東タグ株式会社です。同社は岡山・瀬戸内に加え、阪神エリアでもタグボート事業を展開しています。
追加機能の開発には、同社が持つタグボート運航の知見が反映されました。今回の関西との接点は、阪神エリアでも事業を担う会社の現場の知見が、操船システムの機能づくりに生かされたことです。