Microsoftは2026年10月7日(米国時間)、コーディング向けのAI「MAI Code 1.1 Flash」を、PCの中で動かせるようにすると発表しました。総パラメータ数は137B(1370億)です。ここでは、公式の発表に書かれた範囲で、何が使えるのかを整理します。
MAI Code 1.1 Flashとは
発表によると、このモデルは6月のBuildで紹介されたものです。総パラメータが137B、実際に働く(アクティブな)パラメータが6.8B(68億)の、プログラムを書く作業向けのAIです。
今回は、このAIをPCの中で動かす版を用意しました。3ビット精度の量子化で、モデルの大きさを約80%減らしています。量子化とは、数値を粗く表して、必要なメモリを減らす方法です。
発表は、コードの品質を保ったまま、256Kトークンの文脈に対応するとしています。Microsoftの別の記事では、量子化したモデルは53GBと書かれています。
Microsoftが公開した、ローカルとクラウドを組み合わせる「Hybrid intelligence」の図出典: Microsoft(Windows Experience Blog)(引用)
動かすのに必要なPCと、使える道具
動かす例として挙げているのは、NVIDIA RTX Sparkを搭載したWindows PCです。MicrosoftのSurface Laptop Ultraは、最大128GBのユニファイドメモリ(CPUとGPUで共有するメモリ)を備えます。
Surface Laptop Ultraでの測定では、256Kの文脈でメモリのピークは75.5GBでした。モデルの大きさだけでなく、会話が長くなるほどメモリを使うことも、記事は説明しています。
使える道具は、GitHub Copilotのアプリ、GitHub Copilot CLI、Visual Studio Codeです。「HydraFusion」という振り分けの仕組みが、作業ごとにPCの中のモデルかクラウドのモデルかを選びます。PCの中のモデルも使うことで、トークンを節約できるというのが発表の説明です。
| 項目 |
発表の内容 |
| モデル |
MAI Code 1.1 Flash(総137B・稼働6.8B) |
| 大きさ |
量子化で約80%減(53GB) |
| 文脈の長さ |
256Kトークン |
| 道具 |
GitHub Copilotのアプリ・CLI・Visual Studio Code |
| 提供の時期 |
10月中に試験的なプレビューの予定 |
| PC |
RTX Spark搭載PC。Surface Laptop Ultraは10月16日から出荷 |
暮らしと仕事への影響
影響を受けるのは、まずプログラムを書く人や、社内でシステムを作っている人です。作業の一部を手元のPCで処理する選択肢が増えます。
ただし、PCの中で推論しても、作業が完全にオフラインになるわけではないと、Microsoftの記事は説明しています。
また、必要なのは大きなメモリのPCです。いまお使いのふつうのノートPCで、すぐに動くという話ではありません。
関西の暮らしと仕事での使いどころ
ここからは、公式の発表にはない、使い方の例です。関西の会社が導入したという発表はありません。
- 町工場で、機械の制御や図面の変換のプログラムを社内で書くとき。作業の一部を、手元のPCで扱う選択肢になります。
- 小さな会社の開発で、毎月のクラウドの利用料が気になるとき。作業の一部をPCの中に回すと、トークンの使い方を抑えられる可能性があります。
- 出張先など、通信が不安定な場所での作業。ただし、先に書いたとおり、完全にオフラインになるわけではありません。
買う前に確かめたいのは、日本での販売の時期と、動かすのに必要なメモリです。10月中のプレビューの内容も、公式の続報を待ちましょう。
今日からできること
- GitHub CopilotかVisual Studio Codeを使っている人は、10月中のプレビューの案内を待つ。
- PCを買い替える予定がある人は、ユニファイドメモリの大きさを確認する。
- 開発を外に頼んでいる会社は、どこまでをPCの中で処理したいか、先に整理しておく。
まだ発表の段階やさかい、慌てて買わんと、続報を見てから決めたらええと思うで。