民事裁判の書類をオンラインで提出する裁判所のシステム「mints(ミンツ)」で、障害が起きました。2026年10月15日の朝から、サインインできない、事件が表示されない、といった不安定な状況が続き、翌16日の朝には回復しています。裁判のIT化が進むなかでの出来事として、整理しておきます。
何が起きたか
裁判所の告知によると、2026年10月15日の午前9時頃から、mintsで次のような不安定な状況が確認されました。
- サインインできない
- 事件が表示されない
- 記録の一覧の画面が表示されない
翌16日の午前9時時点では、同じ事象は確認されず、支障なく使える状況になったとしています。ただし、15日当日の正確な復旧時刻や、障害の原因、影響を受けた件数・範囲は公表されていません。最高裁判所は「原因の確認と対応を検討している」と述べるにとどまっています。
mintsとは、何のためのものか
mintsは、民事裁判の書類を、紙ではなくオンラインで出すためのシステムです。背景には、民事裁判のIT化があります。改正された民事訴訟法が2026年5月21日に全面施行され(いわゆるフェーズ3)、訴状の提出から判決の送達まで、オンラインでできるようになりました。
これにともない、2026年5月21日以降に申し立てられた事件では、弁護士などの訴訟代理人に、mintsでのオンライン提出が原則として義務づけられています。つまり、「使えて当たり前」が前提のシステムで、今回の障害が起きたことになります。
大阪・関西への影響
mintsは、全国の裁判所で共通して使うシステムです。そのため、障害は特定の地域だけでなく、大阪地裁をはじめ全国に一律に及びます。関西だけに向けた障害情報や影響の報道は確認できていません。関西の弁護士や当事者にとっても、同じ入口が一時的に使えなくなった、という受け止めになります。
今回の障害では、書面での申し立てに切り替えられる、という例外が最初から用意されていた点が効きました。紙を完全になくさず残した設計の意味が、こういう場面で出てきます。いっぽうで、「書面に切り替えられる弁護士」と、「システムに頼るしかない人」とで、負担に差が出る、という課題も残ります。
今できること
- 弁護士・訴訟代理人: 障害時は、書面での申し立ても可能。提出期限が迫る事件は、担当している裁判所に問い合わせて、取り扱いを確かめる。
- 当事者: 自分の事件の進み方や提出の期限が心配なときは、依頼している弁護士や、担当の裁判所に確認する。
- みんな: 裁判のIT化は便利になる一方で、入口が止まると広く影響する。最新の稼働状況は、裁判所の公式ページで確かめるのが確実。